ぬるい料理

料理の基本で「熱いものは熱く、冷たいものは冷たく」があります
私も料理学校時代からそのように教わりましたし、現場で仕事していた時は
心掛けていました。お皿も熱くしたり、冷たくしたりが当然です
しかし最近は特に「ぬるい料理」が食べられています。
ぬるい=中途半端な温度ともとれます

家で弁当などは「ぬるい料理」の分野に入っている

フランス料理は実はさほど熱くなくテーブルに運ばれてきたときには
人間が食べやすい温度だと言われたりします。和食も中華も同じことは言えます
鍋料理などは目の前で熱々ですが、普段食べているものは「ぬるい料理」が多い
特にママさん達は「ぬるい料理」を食べているのではないかと思う

ぬるい料理の代表はうどんだった?

私は現在、讃岐人でもあるし、うどんはしょっちゅう食べています
主に「ザル」が好きですが「ザルうどん」はメッチャ冷たくありません
冷水で〆ますが〆た後のうどんが1℃とか2℃と言うことではなく
まあ、7℃ぐらいから10℃くらいが美味しいと感じるのではないでしょうか

ザルは冷たい料理の部類ですが冷蔵庫や冷凍庫で冷やしたような冷たさではない
そして
讃岐には「ひやあつ(冷熱)」なるメニューも存在します
これは
28年前には無かったメニューです
熱い出汁の中に冷たい(水で〆た)うどんを入れた
いわゆる「ぬるい料理」になります
実はこの「ぬるい料理」を食べる人は多く私も好きです

なぜ「ぬるい料理」を食べる人は多いのか?

理由は1つです

「食べるスピードが早い、早く食べることが出来る」

熱々のかけうどんを早く食べると口の中がやけど状態になるし
冷たすぎるのも冬場などは寒い
ぬるい温度だと、のど越しも良くうどんの腰もしっかりあり
冬でも寒すぎずに、何より食べるスピードが早く食べ終わる

せっかちな人向きかも知れませんが
忙しくて昼休憩もあまり時間がない人などは良いですね

さぬきうどんを例にしましたが
よくよく考えると
近年はレンジがあるし弁当でも温める人も多いです
がしかし
弁当を温めたところでごはんが炊きたての熱々にはなりにくいです

あくまでもその人の好みですが
私は炊き立ての熱々のごはんより
少し冷めたぐらい、もしくは冷ごはんが好きです
(贅沢ですが炊き立てを冷ましたものが好き)

理由は熱々の炊き立てのご飯は熱すぎて味がわからない

ラーメンは熱いのが当たり前かもしれませんが
つけ麺などは熱い出汁に冷たい麺の組み合わせが多いですよね

最近はこういった料理に関しては「当たり前」なのです

つまり
昔の「熱いものは熱く、冷たいものは冷たく」の常識はすべてに当てはまらない

人間は100℃のお湯をゴクゴクの飲むことはできません
逆に氷も食べますが一度の多く口の中に入れると大変です
特に
熱いもの(ラーメンなど)が美味しいと感じる温度は70℃を基準に
80℃以上だとかなり熱いくて食べにくく
70℃以下だとぬるいて不味いと感じる人が多いようです

そもそも
熱いものは熱くの基準は100℃ではないということです
75℃ぐらいがちょうどよいのかもしれませんが
最近は
カップ麺にしてもカレーライスにしても
70℃以下で冷たくない程度のぬるい感じの温度で食べる人が多いです

昔のようにゆっくりと食事をする時間がないという問題もあるとは思いますが
それ以上に
ぬるい料理=中途半端な温度を食べさせる料理が増えてきたからです

時間がある人は「1週間で自分が食べた熱々のものは何だったのか?」を
思い出してみてください
おそらく「熱くもなく冷たくもないようなもの」を
結構な割合で多く食べていたかわかります

ポイント
ここでのポイント
「熱いものは熱く、冷たいものは冷たく」は温度が重要
【ぬるい=中途半端な温度だが、その温度が最も美味しく感じる】

料理人はぬるい料理で育つ【昔】

料理人あるあるです

私は元中華料理の職人で
大きなレストラン(従業員20人以上)のお店も
中ぐらいの大衆レストラン(従業員10人以下)のお店も
個人の従業員が1人とか2人のお店でも仕事してきました

料理人の賄は大きなお店なら尚更ですが見習いが作ります
そして
朝食(営業前)昼食(アイドタイム)などに皆が揃って食べます
賄が上手に作れるか否かで先輩からの評価にも繋がりますから
熱いものは熱く冷たいものは冷たくするのも当然でしたが
見習いは
一緒に食べ始めたとしても早く食べ終わって後片付けもしなくてはなりません
そうなると
自分が食べる料理は冷ましておくとか、ぬるくして早く食べ終わるのが常識です

こじんまりしたお店ではアイドルタイムがないお店もあり
食事は交代でササっと食べることが多いですね
ましては繁忙日などは立って食べることもざらです
そうなると
熱い料理など食べることは不可能です

意外と料理人は猫舌が多いというのは
そういった環境が熱いものを食べれなくしたというのはあります

余談ですが
カウンターのお店で賄いを作って食べているのをお客さんが見ていました
ラーメンの麺を茹でて水で〆て熱いスープに入れると
まさにぬるいラーメンが出来ます
カウンター越しにしゃがんでササっと食べるにはぬるいラーメンは最適でした
それを見ていたお客さんが
「俺も麺を水で〆て熱いスープに入れてくれ」というお客さんが出てきて
ひやあつラーメンをメニューに加えると意外と人気がありましたね

ポイント
ここでのポイント
【現代のぬるい系の料理は料理人の賄からできたものが多い】

家庭料理でもたまには「ぬるい料理」を知っておく

家庭で食べる料理ぐらい
ゆっくりと「熱いものは熱く、冷たいものは冷たく」が良い気もしますが

言い方悪いですが「敢えてぬるい料理などには慣れておく必要がある」

これは
現代社会だからではないのですが
世界中で自然災害や疫病も含めて何が起こるかわかりません
災害の規模も大きくなり被害も大きくなります

極端な考え方かもしれませんが
サバイバルを生き抜くための食事を練習しておく必要はあります
特に現代の子供達は生まれてきた時から何でもあります
贅沢とは言いませんが好きなものを好きなように
レンジで温めたり簡単にレトルトで料理も出来ます
ただ
弁当でも買ってきてレンジで温めるのが当たり前になると
電気やガスのインフラがストップしたときに困ります

それと
世界の貧困な場所では食事そのものをまともに食べれない子達もいます

楽しい家庭での食事ですから楽しく美味しくが最も良いのですが
訓練と言う意味でも
買ってきた弁当を温めずに冷たいまま食べる練習も必要です

その時のコツと言うか意識は
「食事は楽しんで肉体的にも精神的にも満足して鋭気を養う」のと
「食事は生きるために必要な栄養を取る」と言うことを理解する

食事の味は美味しい方が良いに決まっています
不味くて、とても食べられない味は別として
まあまあ、それなりに食べれる味も覚えておくことが必要です

その時の状況の絶える事が出来る食事の在り方を知っておくべきです

ポイント
ここでのポイント
【色んな状況に応じての食事の食べ方を試しておく必要がある】

ぬるいは適温で加熱しないという意味ではない

注意しておきたいことは
食事の温度は食べやすい温度が美味しい温度でもあるが
食材によっては加熱しないと駄目なものがあるから
ぬるい料理でも一度は加熱してから冷ますことを忘れてはならない

こういうことを書くと
「当たり前のことを今更何をいう!」と思われがちですが

加熱の段階で加熱しきれていないから
細菌による食中毒が起きるのです
つまり
例えば鶏肉などは生は原則駄目です
しっかりと肉の中まで火を通して加熱することが必要です
焼くとか煮るとかの過熱処理の後に料理を冷ます
そして
冷ますならキッチリと冷ます
この部分もかなり重要です

お弁当などがそうですが
冷まさずにお弁当に詰めて弁当箱内で温度が中途半端になると
細菌が変化して腐敗するという状態になり兼ねません
過熱後、ちゃんと冷ましてからお弁当に詰める作業が必要です

そのあとに
レンジで温めるとかそのまま食べるのは自由ですが
腐敗したものを加熱し直してももとには戻りません

こういったゴクゴク当たり前のことなのですが
時期が梅雨時期だったりすると食中毒が相変わらず多いです
つまり
「わかっているつもりでちゃんとした作業をしていない」
だから
食中毒が発生するのです

ポイント
ここでのポイント
【ぬるい料理と加熱しない料理とは全く意味が違う】

最後にまとめ

ぬるい料理について書いてみましたが

ぬるい=「適温で食べて美味しい温度」と考えます
その温度は
人それぞれ違いはあるのと
ぬるい料理と加熱不足の料理は違う
そして
常温=ぬるい温度でも食べる機会は増える

そのあたりを理解していただければ幸いです