火加減

家庭用ガスコンロも進化して良いものもたくさんありますが、
家庭料理で強火で調理することは、ほとんど不要です。
むしろ弱火の方が失敗せずに美味しく出来上がります。
【IHを制することができればガスの強火を使わなくてよい】

家庭料理で強火を使う必要はない

私は中華料理の元職人で現場では強火は不可欠である
特に炒め物は強火で数秒と言っても良い素早い技術で仕上げるのが基本です

プロの中華ガスコンロの場合の火力は20,000kcal/hぐらい出ます
家庭用では大きくても4,000kcal/hぐらいが最大ではないでしょうか

ここでのポイントは
お店のガスコンロと家庭用ではもともと仕様が違うということです

中華で強火は必要ですが
その強火というのは15000kcal以上の事を言います

したがって
家庭料理で最大4,000kcalはお店の火力からしたら弱火です

しかし
家庭ではその4,000kcalすら必要ありません

家庭の最大火力4,000kcalは逆に難しい技術が必要

先ほども書きましたがプロが15,000kcalでササっと炒め物を仕上げるのには
かなりの熟練した業がいります。準備、手際、素早さ、慣れとかです

例えば
炒飯を作るとき15,000kcaで手際よく素早く作ることができても
4,000kcalで同じものを作ることはできません

つまり
家庭用コンロの強火(3,000kcalとか4,000kcal)でチャーハンを作ると
プロが現場で作る以上の特別な技術を用します

中華料理のお店では専用のコンロと鉄の鍋です
数万kcalで調理するのには最適で強火だからと言っても
コンロが大きく鉄鍋をコンロの輪っかを上手に使い振りながら
鍋の動かし方などでコントロールして調理します。熱の温度は下がりにくいです
一方
家庭用コンロは特別な中華コンロの仕様はされていません
そしてコーティングされたフライパンを使う事が多く
4.000kcalぐらいの火加減だと逆に火が通りやすく卵とかも焦げやすくなります
フライパンを上手に振っても熱の下がり方が早くてべちゃつきます
フライパンを振らずに手で混ぜるには4,000kcalだと
手の方が追いつかずダマになり焦げたりしやすいということです

家庭用コンロで調理する場合【強火は必要ありません】

家庭用のガスコンロでハイカロリーの強火は
ガスの炎の大きさに合ったフライパンや鍋が必要で
お湯を沸騰させるときには早くて便利です

強火に小さな鍋やフライパンだと火が外に逃げます
強火を有効利用できないということです

中華料理の炒め物(チャーハンも含む)では
野菜は生でも食べれるものと、そうでないものに分けて
電子レンジなどを利用して火をある程度通しておく

※(上記の中華料理の炒め物の基本を知ると
【料理のグレードが1段階アップする】を参照してください)

下味をつけた肉などは弱火で炒めていく
そして
火を通した野菜を入れて合わせ調味料で仕上げる

こういう工程ですが、すべて弱火でOKです
逆に中火以上強火だと焦げてしまいます

チャーハンも同様で
卵ごはんを弱火で炒めていき具材を入れて仕上げるだけです
(最初に味を入れておく場合も途中で味を入れる場合も同じ)

中火以上強火だとダマが出来てべちゃついて焦げる可能性があります
弱火で最後まで仕上げてもパラパラチャーハンができます
しっとり系が好みの方はごはんそのものの炊き方です

肉を焼く時も弱火からが良い

肉を焼く場合ですが
焼肉の場合はおそらく家庭でも網かホットプレートですね
ホットプレートも最近は焼肉用の溝がついているプレートが良いです
ガスでなく電気で温度は220度ぐらいで保てば大丈夫です

コツは同じ場所に脂がたまらないようにして焼くことで固くならず焼ける
油跳ねが気になる人は200℃まで温度を下げても大丈夫ですが
脂を取り除きながらの焼く作業がちょっと大変です

焼肉もそうですが電気コンロ、IHコンロについては後で少し書きます

ガスコンロで
牛ステーキとか豚肉のソテーとか鶏肉(チキンステーキ)ですね

全てですが弱火から焼いてください

肉の下処理とか下味は付けているものとして
特にチキンステーキに関しては皮目から弱火でじっくりです
蓋もしないで焼き上げていきます
過去の記事を参照してください

コツは脂を取り除きながら焼くことです

牛肉も豚肉も厚みがあるときは弱火からじっくり焼いて
脂を取り除きながら焼き上げる

中火、強火は必要ないですね

焼きあがったらアルミホイルで包んで肉を休ませる頃が重要です
これで中まで火が通り肉が柔らかくなります

強火で調理することはあるのか?

ここまで簡単ではありますが
家庭料理のガスコンロで強火は必要ないことを書きました

炒め物、肉を焼くときなど以外を考えると煮物、揚げ物、蒸し物などですが
煮物は弱火でじっくり
揚げ物は油の温度調整が必要
蒸し物はお湯を沸かし続ける作業ですね

最初にも書きましたがお湯を沸騰させるまでには強火にした方が早いです
その後、中火とか弱火でも温度を保てればお湯は沸き続けますね
ガスコンロの場合
強火はお湯を沸騰させるまでの工程では使った方が良いということです

それともう1つあります

煮物などで最後に水溶き片栗粉でとろみをつけたい時は
家庭なら
1度火を止めて水溶き片栗粉を入れてから再度火をつけてとろみをつけます
その時は強火で一気にとろみをつけた方がきれいに美味しくできます

一度火を止めて水溶き片栗粉を入れたときに温度が下がります
再度火をつけてグツグツなるまで早い方が料理は奇麗で濁りません
そしてしっかりと片栗粉に火を通すことが重要です

家庭用のガスコンロも良いものはたくさんありますが
無理に強火のカロリーが高いものでなくても
普通の強火にできるガスコンロで十分です
それは
あまり強火で調理することが無いからです

低温調理とか高温だと栄養価が下がるのもあるかもしれませんが
基本的に
お店の道具と業と家庭用の道具は違います

お店の味に近づけたいのであれば
家庭で可能な火加減を利用して食材の特徴をいかして調理すべきですね
そう考えると
家庭の道具で強火は使わない方が確実にお店の味に近づきます

最後にまとめ

強火をテーマに書いたのでガスコンロでしたが
電気コンロ、IHコンロを使う家庭もかなり多いです

私もIHです

その時に感じるのですがガスコンロの強火が無くても
IHコンロで全てできるし安全です

業務用はまだまだガスが主流でガスの火力も必要ですが
家庭では電気、IHが良いかも知れませんね

電気しか使えないマンションも多くなってきています

これからの時代の火加減は【強火は使わない】ですよ

ただ、災害時などは停電が予想されますので
カセットコンロは必要だと思います