チンジャオロースー

 

チンジャオロース―は中華を代表する料理ですね

中華の炒め物の基本でもありますが
チンジャオロース―の肉は【豚肉か?牛肉か?】
知っているようで意外と知らないのかな

さてどっちでしょう?
正直、豚肉でも牛肉でも美味しければさほど重要でないのかもね

それよりもっと【重要】なことがあります
それは何でしょう?

【豚肉と牛肉では味付けが少し違う】【家庭でもできます】

 

チンジャオロースーは豚肉でも牛肉でも構わない

You Tubeをご覧ください

チンジャオロースーを中国語で書くと
「青椒肉絲」となります
これが正式でPCのIMEパッドで入力する場合でも今はこの漢字に変換してくれますw
(便利な時代です)
この漢字を分析すると
「青椒」 ←ピーマン
「肉絲」 ←豚肉の細切り
「肉」 ←豚肉を意味する
「絲」 ←細切りを意味する

「青椒肉絲」は「ピーマンと豚肉の細切り炒め」です
では牛肉は
「青椒牛肉絲」(チンジャオニウロースー)となります
「肉」豚肉が「牛肉」牛肉になりました
「青椒牛肉絲」は「ピーマンと牛肉の細切り炒め」です

中国語の勉強の時間と言うわけではありませんw

正確に書き正確に言うとこうなると言うことです

中国料理の職人さんや専門店ではこの違いは重要です
現場で仕事している時に「肉絲」ロースーと「牛肉絲」ニウロースーでは
大きな違いでこれを間違うと大変なことになります

なのに豚でも牛でも「青椒肉絲」で呼ばれるようになったのは
大手メーカーがパッケージに「青椒肉絲」(チンジャオロースー)と表記したからです
日本語だと「豚肉とピーマンの細切り炒め」と長ったらしいネーミングだよね

この料理は中国料理の中国読みで定着してしまったってことだね

「麻婆豆腐」を日本語で表現すると別の料理になりそうだ!ってのと同じだなw

中国料理に限らずフランス料理でもイタリア料理でも
そのまま日本で使われている料理はたくさんあるね

逆に日本料理の「すし」「てんぷら」は外国ではそのままだしね

つまりは「青椒肉絲」は豚肉でも牛肉でも「チンジャオロースー」で良いと言う時代です

でもね、一応知識としては分かっておいた方が
中国レストランのメニューではちゃんと分かれてますからねw

普段家庭で今晩は「チンジャオロースー」だって時は
豚肉か牛肉かは好みで食べたい方を選べばよいし
お財布と相談して、また冷蔵庫の在庫具合で決めると良いと思います

では呼び名、ネーミングより重要なことは?

チンジャオロースーを豚肉と牛肉で作るときの違い

「青椒肉絲」だからピーマンは共通だね

豚肉か?牛肉か?となった時

一番重要な違いは味付けです。
少し個人的なこだわりが入りますが

豚肉は淡泊であっさりと食べやすいから
味付けも単純にアッサリとした味付けが良い

牛肉は肉の味が濃いから
味付けも牛肉に負けないハッキリした味付けが良い

具体的には(プロ仕様)
豚肉の場合の下味は
塩・コショー・料理酒・化学調味料・生姜汁・溶き卵・片栗粉・サラダ油

牛肉の場合の下味は
塩・醤油・コショー・料理酒・老酒・化学調味料・(生姜汁)溶き卵・片栗粉・サラダ油

豚肉の臭みを消したいから生姜汁を入れたい
牛肉の旨みを引き出したいから醤油と老酒を入れたい(生姜汁は肉の品質による)

プロ仕様としたのは
たっぷりの油で油通しすることを前提としました

では家庭では
油通しせずにフライパンで炒めていくと仮定して
豚肉も牛肉も溶き卵は要らないです

次に重要な味付けの違いは

共に合わせ調味料を作ります(これは絶対した方が良い)
豚肉の場合
醤油・砂糖(酒醸チューニャン(甘酒))・料理酒・(老酒)・コショー・水溶き片栗粉・中華スープ(水)

牛肉の場合
醤油・砂糖(酒醸チューニャン(甘酒))・料理酒・蠔油(ハオユー)・(老酒)・コショー・水溶き片栗粉・中華スープ(水)

牛肉には蠔油(ハオユー)オイスターソースを入れます
これは牛肉の味が一段とはっきりして美味しくなるからです

オイスターソースは最近では家庭でもよく使います
これを入れるか入れないかで味は全く変わります。

豚肉に入れては駄目と言うことではないですが
豚肉の旨みが消えると思います

酒醸チューニャン(甘酒)については普通の甘酒でも対応できます
甘酒の甘さによって砂糖を調節しましょう

老酒を入れるととても香りが良くなりますがなくても大丈夫です

ポイント

合わせ調味料の割合については味見しながら自分が美味しいと思えばそれで良いです
中華スープ(水)←については本格的な中華スープでなくても
水に鶏ガラスープの素とかで十分です

全体の調味料の割合の1/2ぐらいが目安です(これ重要)

チンジャオロースーを作るときの秘訣

チンジャオロースーを作るときの豚肉、牛肉での味付けは
ちょっとした違いで出来栄えも変わってきます

では共通して作るときの秘訣、ポイントはあるのか?

先ず豚肉も牛肉も赤身の部位を使いましょう
モモ肉。うち平とかです

出来ればブロックで仕入れてマッチ棒ぐらいの太さに細切り
それに下味を入れていきます。

中華料理で細切り「絲」は、マッチ棒ぐらいの太さです。
実際に切ると結構細く感じます

肉の繊維に添って縦に切る
繊維に逆らって横に切ると炒めた時にバラバラになります。
(ここは重要なポイントです)

生肉の柔らかい状態で切りにくいときは
フリーザーで半氷状態にすると切りやすいです
(これはプロの現場では常識です)

家庭でブロック肉でない時は
スライスした肉を6㎝ぐらいにして縦に細切りにしましょう

ピーマンの切り方は縦か?横か?

あんまり考える人は少ないと思いますが
縦、すなわち繊維に添って切る方が一般的です
がしかし横、繊維に逆らって切る方が良いと言う考え方の人もいます
食感が柔らかで美味しくなる、という考えですね
実際に中国料理店でもわかれるところです

見栄えが美しく感じるのは縦切りです

タケノコの千切りは入れた方が良い

これは、たいていのお店では入れています
単価を下げてボリュームを出す?
と言う意味合いも無きにしも非ずですが
実際の意味は肉とタケノコはベストマッチですね

肉もピーマンも細切りのところにタケノコの細切りで
食感がとても良くなりチンジャオロースーを食べた~
って感じがとても強くなりますw

高級店の食感に近づきますね

タケノコは水煮とか缶詰で十分ですよ
切り方は繊維に添って立て切りです

これでないと駄目だと言う作り方はありませんが
チンジャオロースーのポイントが分かって頂ければ幸いです

最後にまとめ

中華料理もフレンチもイタリアンも世界の料理は無限です
その代表的なものが日本国内で食べられるようになり
だいたいは変化していきます
変化の仕方は日本人の口に合うような味に変わると言うことです

そしてそこからレトルトやインスタント
ネーミングまでもが日本の料理に変身しますね

私はとても良いことだと思います

そこから料理の話も広がり他国の料理も知り
もっと深く歴史や文化も知ることが出来るかも知れません

あまり難しく考えると「メンドクサイ」と言われますが
少し「何でだろう?」と考えると楽しくなりますよ