いなり寿司

いなり寿司がたまに食べたくなる筆者ですが
関西ではきつね寿司と呼んだりしますね
三角の揚げなのか?四角の揚げなのか?
種類も大きさも色々ありそうです
勿論味付けも地域によって違いはあるし
「たかがいなり寿司されどいなり寿司」
種類や違いを知ると家で作るときのレパートリーが増えます
そして楽しく食べることができます

いなり寿司大昔からいなり寿司って呼ばれているのか?

先ず発祥地ですが
1837年、江戸時代ですが元号は天保です
江戸の生活百科事典なるものがあったそうで
その中に
「名古屋あたりで生まれたが江戸(東京)ではもっと前から売られている」
と言うようなことが書かれているそうです
それを裏付けるのは
名古屋には江戸時代、江戸時代後期からの老舗と呼ばれる
いなり寿司の専門店がないということと
「享保の改革」「寛政の改革」と共に三大改革である
「天保の改革」の中で贅沢禁止令があります
その時
江戸前寿司で高級食材が使うことができなくなり
安い揚げで寿司を作ったのが始まりだという説が成り立ちます
そして
江戸は地方からの出稼ぎの人達が多く
いなり寿司は
今で言うファストフード的存在だったのではないかと言われています

安くて簡単に手軽に食べることができる

いなり寿司の揚げの三角と四角の違いは?

よく言われているのが
西は三角で東は四角(俵)ですね
しかし
残念ながらハッキリとした根拠はありません
推測で
関東では
江戸時代に長方形の長い揚げに酢飯を詰めて
巻き寿司のような棒状のいなり寿司を作り
それを包丁で切ったのが俵型(四角)のはじまりかも?

関西では
稲の神様、稲荷神が祭られている神社をお稲荷様、お稲荷さんと言いますね
「稲荷」は食物の神でもある
キツネ、油揚げ、いなり寿司などを指しています
その中のキツネの耳が三角だから揚げも三角と言うことです
また稲荷山の形を真似たとも言われています

お揚げの味つけと酢飯の味つけ具材の違いは?

甘辛く煮たお揚げは関西、関東とも共通しますが
関西は
色目はあんまり黒くないですね
薄口しょうゆを使うお店が多いです
最近では白醤油などで色はお揚げそのもの色に近いです

関東は
うどんの出汁もそうですが濃い口しょうゆを使い
甘辛く煮たお揚げも結構黒っぽいですね

味そのものは
関西は出汁の味とお揚げの味を活かして薄目で甘い
関東は濃いめでしっかり味付けされていてあまり甘くない

これは酢飯に関係があります
関西の酢飯は甘いと言われていますがその通りです
関東は砂糖少な目ですね

なので
関西は
お揚げは薄味の甘い目なので
酢飯には椎茸、ニンジン、ひじき、ゴボウなど
所謂「五目寿司」をお揚げに詰めている感じです

関東は
お揚げがしっかり味付けされていますから
酢飯には胡麻とレンコンが入っていたら多い方です
酢飯だけのところもあります

この違いは
関西は
お揚げも酢飯も薄味では味気ない(物足りない)と感じて
五目にして詰めよう的な、ある意味「がめつい精神」だったのかもしれませんw

関東は
シンプルで先ほど書いたファストフード的存在だったのでしょう
江戸前寿司の意気の良さとでも言いましょうか
チャチャっと手軽に食べるみたいな感じだったのかもしれません

関東と関西に分かれるが分岐点はどこなのか?

分岐点については気候が関係していると思われます
つまり
寿司に限らずですが
濃いめの味は寒い地域に行けばだんだんと濃くなる傾向にあります
逆に温かい地域に行けば薄い味付けになる傾向があります

名古屋あたりがやはり分岐点にはなるとは思いますが
味つけに関しては
狭い日本と言っても東西南北で分けるのは難しいようです

揚げの三角か四角(俵型)の方が
中部地方を境にして
関西以南、関東以北として分かれる傾向にあるようです

大昔は
関ケ原あたりの山脈から東西に分かれていたのは
移動手段が早くても馬、人が走っても限界がありますから
食の文化の伝わり方も遅かったのだと思います
ただ
昔、根付いたものが今に残っているのは
寿司だけでなく食文化全体に言えますね

一見変わったいなり寿司は昔からある?

昔と言ってもたぶん天保とかの時代ではないですね

おそらく昭和に入ってから作られたのだと思いますが

青森県の
酢飯に生姜の汁を入れてピンク色のもの

長野県の
お揚げにからしを塗った「からしいなり」

埼玉県の
少し細長いいなり寿司をかんぴょうで巻いた「稲妻いなり寿司」

岐阜県の
お揚げでなく味つけしたこんにゃくに酢飯を詰めた「こんにゃくいなり」

鳥取県の
酢飯でなく郷土料理の「ののこ飯(炊き込みご飯)」をお揚げに詰めたもの

などなど
地域によって特別ないなり寿司もあるようです

「初午(はつうま)いなり」は忘れてはならない

2月の最初の午の日が「初午」です
この日全国の稲荷神社で初午大祭が行われます
稲荷神社の使いであるキツネが好物である
お揚げや稲荷寿司を奉納するのがしきたりですね
と言うことは
1年中でいなり寿司が1番消費されるのは
初午大祭の日かもしれません
運気アップ、縁起を担ぐ人は食べると思いますw

ちなみに

京都府京都市伏見稲荷大社
愛知県豊川市豊川稲荷
茨城県笠間市笠間稲荷神社
岡山県岡山市最上稲荷山妙教寺
岐阜県海津市千代保稲荷神社
大阪府東大阪市瓢箪山稲荷神社
奈良県大和郡山市源九郎稲荷神社
広島県福山市 草戸稲荷神社
島根県津和野町太皷谷稲成神社

etc

全国に有名な稲荷神社があります
稲荷神についてはウィキペディアのリンクを貼っておきます

いなり寿司を食べるメリット

いなり寿司はスーパーやコンビニでも手軽に買えます
比較的価格も安いので買いやすいですね
そして
いなり寿司が嫌いだって人も少なく無難な食べ物とも言えます
さらに
いなり寿司は
三大栄養素のバランスも良い食べ物です
タンパク質、脂質、炭水化物が
多すぎず少なすぎず摂取する事が出来ます
必須アミノ酸のバランスも良いとされています
酢飯には不足している「リジン」ですが
味付け揚げには「リジン」を多く含んでいます
両方他一緒に食べるから補えますね

ポイント
揚げの大豆イソフラボン
酢飯の酢によって
「血糖値上昇の緩和、疲労回復etc」の効果が期待できます

手軽に作る事も出来る

比較的安く手軽に買えるということは
家でも比較的簡単に作ることができます

お揚げと酢飯さえあれば
具材は冷蔵庫にあるもので簡単に作れます

お揚げは寿司揚げ用がベストですが
特売で安売りしているお揚げを狙いましょう
お揚げは冷凍保存できます

形は斜めに切れば三角
横に切れば四角になりますね

大きさはその時買ったものに合わせて酢飯を詰めるだけです
全国にあると思いますが
ジャンボいなり寿司なんてのもありますから
揚げがデカければジャンボになりますw

味つけは自分好みで好きなようにできます
酢飯に関しては市販のすし酢を使うのが無難かもしれんせんn

先ほども書きましたが
具材は入れたいものを買って入れてもイイですが
冷蔵庫にあるもので工夫すれば
一風変わったいなり寿司が出来上がります

ポイント
作り置きも出来ますから
慌てることなくチャチャっと作っておくと
夕飯などの準備が楽になりますね

最後にまとめ

いなり寿司は全国どこでも食べることができますが
その地域に行かないと売られていないものもあるかもしれません
また家庭では
やはり子供のころから食べなれたものが良いでしょうね
シンプルだけど作り方ひとつでレシピは無限です
ちょっとした工夫とその日の気分で
アゲアゲになるいなり寿司を作ってみてはいかがでしょう