冷むぎ

今更ですが
冷や麦と素麺の違いを知っていますか?
そもそも冷や麦を食べますか?
うどんも小麦粉だし冷せば冷や麦ですよね
冷や麦は温めて食べたらだめなのか?
特に生活にかかわる問題ではないけれど知っていると
冷や麦を食べる時に美味しく感じるかもしれません

冷や麦と素麺はかなり違いがあります

冷や麦は小麦粉から作られます。
って素麺もうどんも小麦粉ですね
小麦粉は香川県などでは「うどん粉」なんて言いますが中力粉が主体です

製造する人のこだわりで
中力粉に薄力粉を混ぜたり
小麦粉そのものの生産地や種類は違います

うどん、冷や麦、素麺の原材料は小麦粉で
水の量、塩の量(加水、ボーメ度)などの違いも
それぞれの特徴が出る要素ではあります

ただそれよりも大きな違いは何か?
麺線の太さが一番の違いです。

これは
JAS規格の「乾めん類品質表示基準」の定義です。
1.3mm未満が素麺
1.3mm以上1.7mm未満が冷や麦
1.7mm以上がうどん
これは機械の製法による基準で
手打ちとか手延べでの分類は1.7mm未満は素麺でも冷や麦でも良い

とまあ、太さだけの違いということにもなりますが
素麺の場合は油が入りますね
それについては下記記事を参照してください

冷や麦はとてつもなくうどんに近いということです
讃岐うどんでも昔は太くて腰が強いのが特徴でしたが
近年は細麺で腰が強いものが人気があったりします
しかし
冷や麦ほどは細くしないのがうどんです

そもそも
うどんは熱い食べ物でそれを冷やしたものが冷や麦と考えるべきですね
うどんは大昔は「熱麦」と呼ばれていたこともあるそうです
つまり
うどん(饂飩)と言う食べ物、食べ方が中国から伝わり
色んな太さであったり製法であったり呼び名がありました

例えば
切麺、截麦(きりむぎ)、冷やし濯(あらい)などもあったそうです
次に季節ですね
うどんは冬に食べる温かいもの
冷や麦は夏に食べる冷たいもの
そして
清涼感を引き出すために麺線も細くなったと言われています

そして
こういった文化は関東に多く
関西では冷や麦そのものがあまり食べられなかったのと
冷や麦よりは素麺が主流になったということです
関西の人は冷や麦と言ってもあんまりピンとこないでしょうね
夏は素麺と決まっている感じです

しかし
その素麺も温めてにゅう麺なんて言ったりします
じゃあ冷や麦を温めれば何と呼ぶのか?w
まあ、普通にうどんですよね
それらを考えると
冷や麦はうどんの仲間で
素麺は製法も性質も異なる食べ物と言うことです

冷や麦はどうして食べるのが一番おいしいのか?

冷や麦をわざわざ温めて食べる人は少ないと思いますw
ただ
茹でてキチンと冷水で冷やして
お味噌汁であるとか、うどん出汁で食べてもかなり美味しいです
これは冷や麦が乾めんだからです
乾めんは手延べと違い塩分量は1年中一定です

 

これはどういうことかと言うと
手打ち、手延べうどんの場合
寒い冬と暑い夏では加水量と塩分量を変えないと一定の腰が保てません
手打ちとか手延べと言っても最近は
最初に小麦粉と水、塩を入れて練る段階は機械だと思います

しかし
気温が高いと足踏みと麺棒で伸ばしていく段階で生地が下手ってきます

 

つまり
腰がないうどんになってしまいますね
最新の空調設備で室温をコントロールしていれば
さほど問題なかもしれませんんが
個人のお店ではなかなかそうはいきません

そこで
加水量と塩分量で調節して
職人の技を見せることができるわけですが
冷や麦は
あんまり「生冷や麦」はありません
(ネットなどで売っているのは売っています)
ほとんどが乾めんです

 

ポイント

つまり
1年中安定した美味しさを保つことができます
夏の暑い時に
クーラーがきいている部屋で温かい冷や麦のお味噌汁とかは
夏の疲れの癒しにもなりえます

 

ただ
それはあくまでも冷や麦を温めると考えた時ですが
冷や麦は冷たくして食べるのが最適です
うどんよりは茹で時間は短く
素麺より茹で時間はかかりますが
ざるうどんとか冷やしうどんより重くなく
サラッとそして腰があり爽やかに食べることができます

出汁は
普通の麺つゆがベストでしょうね
カツオや昆布だしが効いている方が美味しさが増します
生姜、ワサビはお好みですが
ワサビが夏は相性がよい気がします
そしてもみ海苔などもたっぷりと入れて刻み葱は欠かせませんね

夏は素麺が多く登場しますが
冷や麦も時々食卓に出てくると新鮮さを感じます

最後にまとめ

うどん、冷や麦、素麺は塩分が入りますが
茹でるとほとんど茹で汁に流れてしまします
塩分の摂りすぎはよくないと言いますが
問題はかけ出汁やつけ出しの方にありますね
出汁そのものがあんまり濃くないと
(カツオや昆布、椎茸などの天然の旨味)
塩分で補おうとして塩分量が増えます
できるだけ
旨味成分を天然出汁から摂り
薬味などを多めにして塩分は控えましょう
天然成分の旨味については下記記事を参照してください