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【禅語】で規矩行い尽くすべからず(きくおこないつくすべからず)
があります

規矩(きく)とは規則のことで、
現代でいうマニュアルのことですね
つまり「規矩行い尽くすべからず」とは、
すべてをマニュアルで定めてしまってはいけない、
あるいは、マニュアルどおりの行動ばかりではいけない、
というような意味の禅語になります

規則やマニュアルでしばるのもほどほどにしましょうって話

まずちょっと難しいですが

第一に「勢い使い尽くすべからず」

第二に「福、受け尽くすべからず」

第三に「規矩(きく)行じ尽くすべからず」

第四に「好語(こうご)説き尽くすべからず」

何が故ぞ、好語説き尽くせば人必ずこれを易しとする。

規矩(きく)行じ尽くせば、人必ず繁とす。福もし受け尽くせば、

縁必ず孤なり。勢いもし使い尽くせば、禍い必ず至る。

という
寺に入る時の心得として説いた
4つの戒めの一つの言葉です
その 
第三番目に、「規矩(きく)、行いつくすべからず」。
規矩というのは戒律などの決まり事である。戒律はこうだ、規則はこうだと
大衆に無理やりにおしつけては、人に嫌がられ人は逃げ出して行くことだろう。

というのが根源の使われ方です

ちょっとわかりにくいですよね

そして
「勢い使い尽くすべからず」に関しては
以前の配信で話していますのでリンク貼り付けておきます
今回の話に通じますので是非聞いてくださいね

そして
今回の話を
現代風に解りやすくしていきましょう

法律や会社のルールを守るのは
言うまでもなく当たり前のことですね

そのあたり前ルールなのですが
法律に違反することは何があっても駄目です

では会社のルールは少しぐらいなら大丈夫なのか?
ってこれも違反ですね

何が言いたいのかというと
会社が最初に決めるルールは規約ですから
雇う側も雇われる側もその規約に従うことで
会社も働く人も守られます

そういった規則は大事なのですが

そうでなく
上司と部下の間での目に見えないルールのようなものはありませんか?

私は
料理職人の時代は師匠と弟子の関係ですから
師匠のいうことは全て正しい見たいな時代でもありました

また
プライベートの時間も
師匠に見張られては
いないですが
人生の訓示のようなものは受けて
料理のこと以外のことも教えてもらいました

おかげで
仕事以外の良からぬことも教えてもらいましたが
それも良い人生経験で今に活かされていると思っています

しかしもし
良からぬことは絶対ダメ,仕事に影響するから
夜遊びは駄目,酒は駄目,夜10時には寝て朝6時には起きなさい
これは命令だ!見たいな事を言われ続けたら
どうなっていただろう?
っと思います

確かに訓練学校だったり
厳しい寮生活ならそういうものあるのかもしれません

しかし
一人前の大人として仕事についたものに
師匠が
プライベートの事までを干渉しすぎると
弟子は長続きしないだろうと思います

適度に厳しく適度に緩めることが重要だということです

親子ではそのことが
とても大事で悩まれる人も多いはずです

思春期は誰にでもあり
自分が通ってきた道にも関わらず
子供にはメッチャ厳しすぎる人
自分は厳しくされすぎたから
子供には緩くかなり自由にさせる親

各家庭で様々だと思いますが
最も悩むところでしょう

そこで
規矩行い尽くすべからず(きくおこないつくすべからず)です

この禅語は
何事も手本通りにやりすぎては駄目という意味もあり
手本はあくまでも基礎だということを言っています

例えば
レストランでマニュアル通りに接客したけど
お客さんはあんまり満足していないってことはあります
それは
ガチガチにマニュアル通りに接客すれば
いつまでたっても初心者マークがついているのと同じですね
お客さんも怒るころは無いけど
今一安心感というかリラックスした気分で食事ができない
そういうことになります

つまり
マニュアルから一歩成長して
アドリブで対応できるにようにならないと
成長したとは言えないですね

親子でも同じことは言えます
親が音楽の教師だとして音楽の教師のマニュアルを教えて
それに子供は従って成長していくわけですが
マニュアル通りの事は出来ても
そこからの脱皮が無いと
本当の意味での成長とは言えないですよね

つまり
ルールやマニュアル通りから抜け出して
大きく成長できる役目をしているのが
師匠であり上司であり,親だということです

最後にまとめ

先日
啐啄同時の話をしました
ひなが殻を破り親がその時を逃さず
同時に殻をつついて破ってやるという話でした

今度は
子供がある程度成長していく過程で
どうしてマニュアルから一歩抜き出て
自分を超えるというか大きく成長させることができるか?

これが
規矩不可行尽(きくおこないつくすべからず)に
込められた深い深い意味だと思います