「触らぬ神に祟りなし」ってよく使いますね。語源とか由来は?

触らぬ神にたたりなし、アイキャッチ
※画像はbingのImage Creator Designeで作成

「触らぬ神に祟りなし」は
その物事に関わりさえ持たなければ
余計な災いを招くことはないということわざです。
つまり
面倒になりそうなことには手出しをしない方が
身のためだということを表しています。

「触らぬ神に祟りなし」は、どんな場面で使うのか?

自分から災いを招くような余計なことをしなければ
特に害はないという消極的な意味合いで使われます。

例えば

機嫌が悪い人に声をかけない、ケンカの仲裁に入らない
怪しい話に乗らないなどの場面に使用するのが適切です。

また、自戒の意味で
自分から厄介なことに深入りしてしまい
本来であれば関わらなくて済む問題を
背負ってしまいそうなときにも使われます。

例えば

迷子を見つけて交番へ連れて行こうとしたが
誤解されて職務質問されてしまったときなどに使うことができます。

実際の会話で「触らぬ神に祟りなし」をどのように使用する?

課長に確認してほしい資料があったが
すごく機嫌が悪いようだから、触らぬ神に祟りなしでまた後日にしよう。
親友同士のケンカは触らぬ神に祟りなしでそっとしておくのが一番。
二人にしか分からないことがあるから、余計な口出しは逆効果になります。
あの先輩は理不尽に後輩を叱るだけで練習しないので
触らぬ神に祟りなしと後輩たちから避けられている。

「触らぬ神に祟りなし」の由来

「触らぬ神に祟りなし」ということわざは
日本の信仰の一つである
「御霊信仰(ごりょうしんこう)」が由来となっています。
御霊信仰とは
現世に不満を持ちながら亡くなった人や
不幸な死に方をした人の霊が
「祟り神」として現世に災いをもたらすという信仰です。
御霊信仰が盛んだった時代に
「霊は祟りや災いをもたらすから関わらない方がよい」
という言い伝えが広まり
それが元になって「触らぬ神に祟りなし」が生まれたとされています。
「触らぬ神に祟りなし」で表現されている神は
天地や運命を支配する絶対的な神ではなく
幽霊や怨霊といった亡くなった人の魂を表しています。

「触らぬ神に祟りなし」の語源

「触らぬ神に祟りなし」の語源は
「いろはかるた」という日本の伝統的な遊びから取られています。
いろはかるたは、地方ごとにさまざまな種類があり
代表的なものでは江戸や上方などのかるたがあります。

「触らぬ神に祟りなし」の語源は
「尾張いろはかるた」から取られており
他にも「桃栗三年柿八年」や「果報は寝て待て」など
一般的によく知られていることわざの語源として有名です。

「尾張いろはかるた」とは
江戸時代に尾張藩士・小山駿亭によって著された「いろはかるた」の一種です。
いろはかるたとは
いろは歌という四十七文字の歌に基づいて
それぞれの文字に対応することわざや教訓を
読み札と絵札の組にして作られたカルタ遊びのことです。

尾張いろはかるたは
江戸や京都の上方のいろはかるたとは異なる内容で
尾張の風俗や歴史に関するものが多く含まれています。

例えば

「い」の項では「一を聞いて十を知る」
「ろ」の項では「六十の三つ子」
「わ」の項では「若い時は二度ない」
といったことわざが使われています。
尾張いろはかるたは、心学や儒学の教えを伝えるとともに
尾張の文化や伝統を後世に伝える貴重な資料となっています。

最後にまとめ

「触らぬ神に祟りなし」は
余計な災いを避けることを意味することわざです。
御霊信仰が由来で、尾張いろはかるたが語源です。
面倒になりそうなことには手出しをしない方がよいという教訓や
自戒の意味で使われます。

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