プライミング効果の影響を人々はどのように受けているのか?

プライミング効果アイキャッチ

プライミング効果とは
経験したことや見たり聞いたりした情報が
認知や行動に影響を及ぼす効果のことです。
心理学用語で先に受けた刺激がその後の行動に
無意識下で影響を与える現象を指します。
このプライミング効果を知っておくと
自分の学習や目標達成に役立つだけでなく
マーケティングやコミュニケーションにも活用できます。
今回は、プライミング効果の仕組みや利用例
自分で利用する方法を紹介します。

プライミング効果の仕組み

プライミング効果は
先に受けた刺激(プライマー)によって特定の概念が「活性化」され
関連する情報(ターゲット)を連想しやすくなる現象です。
例えば、「サンタさんはどんな衣装を着ている? 」
という質問をした後に「パッと思いつく果物は? 」という質問を続けると
サンタの赤い衣装に刺激を受け、赤い色の果物を答える確率が高くなります。
この場合、「サンタさん」がプライマーで、「果物」がターゲットです。
プライミング効果は
無意識に記憶したものが後々の認知や行動に影響を与えることを示しています。
誰もがプライミング効果を受けているので
当事者それをプライミング効果だとは意識しているケースはほとんどないのです。
先行学習や記憶課題が後続学習あるいは記憶課題の成績に
無意識に影響を与えている状態もプライミング効果と言えます。

プライミング効果の利用例

プライミング効果は
相手の無意識下に働きかけイメージのすり込みを行うことで
こちらがとってほしい行動に導く心理的効果を指します。
そのため、マーケティングやコミュニケーションにおいても
有効な手法として使われています。以下に具体的な利用例を挙げます。

アンケート

商品に対する購買意欲を高めるために
顧客にアンケートを送ります。
例えば
「〇〇を買う予定はありますか?」という質問でも
プライミング効果は得られますが
あまりにも直接的に聞くと不快感を覚える顧客もいることでしょう。
そのため、その商品に関連するキーワードを入れたアンケートを考えます。

例えば
「あなたはどんな時にリフレッシュしたいですか?」
という質問から始めて
「リフレッシュする方法は何ですか?」
「リフレッシュする時に必要なものは何ですか?」
「リフレッシュする時に欲しい音楽は何ですか?」
などと続けていきます。
そして最後に
「〇〇はリフレッシュに最適な商品です。〇〇を買う予定はありますか?」
という質問をします。

このようにすると、顧客はリフレッシュという概念が活性化され
その商品との関連性を感じやすくなります。
また、自分のリフレッシュ方法や欲しいものを考えることで
その商品に対する欲求も高まります。

SNS・メルマガ

情報の発信を通じて、商品名やイメージを頻繁に流します。
例えば
SNSで商品の写真や動画を投稿したり
メルマガで商品の特徴や口コミを紹介したりします。
これにより、顧客はその商品に慣れ親しむとともに
その商品が自分の生活に必要なものだと感じるようになります。

キャンペーン

商品の必要性を伝えるためにキャンペーンを行います。
例えば
栄養価が高く健康維持に役立つ野菜ジュースを新商品として売り出したい場合
先行キャンペーンで健康を維持するには
野菜を積極的に摂取した方がよいことを打ち出します。
するとターゲット顧客にこれが先行刺激(プライマー)として働くのです。
その後、野菜ジュースの販売を開始すると
顧客は健康維持のために野菜ジュースを購入したいと思うようになります。

プライミング効果を自分で利用する方法

プライミング効果は自分の学習や目標達成にも役立ちます。

学習前の準備

学習する前に関連動画や教科書を眺めると
その情報がプライマーとなり、学習効果を高めることができます。
例えば
英語の文法を学ぶ前に英語の歌や映画を聞いたり見たりすると
英語の感覚が養われます。
また、学習する内容に興味や関心を持つことも重要です。
興味や関心があると、学習へのモチベーションが上がります。

基礎確認

新しいことを学ぶ前に、その基礎や基本を確認しておくと良いです。
基礎や基本がしっかり身についていると、新しいことへの理解が深まります。
また、基礎や基本がプライマーとなって
新しいことへの関連付けがしやすくなります。

集中力向上

自分が集中してできた時間や場所、教科等を記憶しておくと
それがプライマーとなり、集中力が向上します。
例えば
午前中に勉強する方が集中できる人は
午前中に難しいことや重要なことを学びます。
また、静かな場所で勉強する方が集中できる人は、静かな場所で勉強します。
さらに、数学が得意な人は、数学に関連する問題やパズルを解くことで
論理的思考や集中力を高めることができます。
数学はプライマーとなって
他の教科や分野にも応用できるスキルを身につけることができます。

目標設定

目標を達成するためには
その目標に関連する言葉や画像を目につく場所に貼ると良いです。
これにより、その言葉や画像がプライマーとなり
目標達成に向けた行動を促します。
例えば、ダイエットを目指す人は
自分の理想の体型や服装の写真を冷蔵庫や鏡に貼ると
食事や運動の意識が高まります。

口癖の変更

口癖をポジティブなものに変えることで
自分の思考や行動もポジティブに変わります。
これはプライミング効果の一種で
口癖を変えることで自分自身の行動も変えることができます。
例えば
「できない」という口癖を「できるようになる」という口癖に変えると
自信や努力が増します。

最後にまとめ

プライミング効果とは
先に受けた刺激がその後の認知や行動に無意識下で影響を与える現象です。
プライミング効果を知っておくと、自分の学習や目標達成に役立つだけでなく
マーケティングやコミュニケーションにも活用できます。
プライミング効果を自分で利用する方法としては
学習前の準備、基礎確認、集中力向上、目標設定、口癖の変更などがあります。
これらの方法は非常にシンプルで、難しくありません。
無意識に記憶したものが後々の学習ストレスを軽減し記憶力を高めてくれるので
是非実践してみてください。

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