「アンダーマイニング効果」と「エンハンシング効果」モチベを上げるためには?

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アンダーマイニング効果とは
本来は内発的動機づけによって行っていた行動に対して
外発的動機づけを与えることで
かえって内発的動機づけが低下してしまう現象です。
「アンダーマイニング効果」は「過正当化効果」とも言われます。

「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」

内発的動機づけとは
達成感や自己肯定感といった
内的な要因によって行動を起こす動機づけです。
一方、外発的動機づけとは
金銭や賞品といった
外的な要因によって行動を起こす動機づけです。

「アンダーマイニング効果」はどのような影響がでる?

例えば

子どもが絵を描くのが好きで
自分の意思で絵を描いていたところ
親から「絵を描くとお小遣いをあげるよ」
と言われたとします。
すると
子どもは絵を描く目的が
「お小遣いをもらうこと」に変わってしまい
絵を描くこと自体を
楽しむことが少なくなっていく可能性があります。
また、職場で
従業員のモチベーションを高めるために
ノルマ達成でボーナスを支給する制度を導入したとします。
すると、従業員はボーナスをもらうために
ノルマを達成しようとすることになり
ノルマ達成以外の部分への
モチベーションが低下する可能性があります。

「アンダーマイニング効果」の予防策

アンダーマイニング効果を防ぐためには
外発的動機づけを与える際には
以下のような点に注意する必要があります。

〇 外発的動機づけが内発的動機づけを抑圧しないように
内発的動機づけを維持するような工夫をする。
〇 外発的動機づけを与える目的を明確にし
内発的動機づけの維持につながるようにする。

具体的には、以下のようなものが挙げられます。

〇 外発的動機づけは
あくまでも内発的動機づけを補完するものとして使う。
〇 外発的動機づけは
一時的なもので、最終的には内発的動機づけで行動できるようにする。
〇 外発的動機づけは
個人の能力や努力を認めることを目的としたものにする。

「アンダーマイニング効果」と逆の「エンハンシング効果」

アンダーマイニング効果と逆の心理は
「エンハンシング効果」と呼ばれています。
エンハンシング効果とは
外発的動機づけを与えることで
内発的動機づけが向上する心理現象です。

例えば

子どもが絵を描くのが好きで
自分の意思で絵を描いていたところ
親から「絵を描くのが上手だね」
と褒められたとします。
すると、子どもは絵を描くことへの自信がつき
絵を描くこと自体を
楽しむことが増えていく可能性があります。
アンダーマイニング効果と
エンハンシング効果は
どちらも外発的動機づけが
内発的動機づけに与える影響について示す心理現象です。
しかし、アンダーマイニング効果は
外発的動機づけが
内発的動機づけを低下させる現象であるのに対し
エンハンシング効果は
外発的動機づけが
内発的動機づけを向上させる現象であるという違いがあります。

エンハンシング効果が起こりやすいのは、以下の条件です。

〇 外発的動機づけが、内発的動機づけと調和している。
〇 外発的動機づけが、個人の能力や努力を認めることを目的としている。

最後にまとめ

アンダーマイニング効果は
外発的動機づけによって
内発的動機づけが低下してしまう心理現象です。
アンダーマイニング効果を防ぐためには
外発的動機づけを与える際には
内発的動機づけを維持するような工夫をすることが重要です。

エンハンシング効果は
外発的動機づけによって
内発的動機づけが向上する心理現象です。
エンハンシング効果を起こすためには
外発的動機づけが、内発的動機づけと調和し
個人の能力や努力を認めることを
目的としたものであることが重要です。

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