「ポジティブ・ダブルバインド」とは
相手にとってどちらの選択肢も良い状況になるように
2つのメッセージを伝えることです。
例えば
「今日はイタリアンとフレンチどっちがいい?」という質問は
相手が食事に行くことを前提にしているので
ポジティブ・ダブルバインドになります。
一般的な「ダブルバインド」と「ポジティブ・ダブルバインド」の違い
一般的なダブルバインドは
矛盾した2つのメッセージのどちらを取っても
悪い結果になるような状況を意図的に作り出すことです。
例えば
「勉強しなさい」と
「遊びなさい」と
同時に言うような状況です。
この場合、子どもはどちらを選んでも親を怒らせてしまいます。
罪悪感や不安感を覚えるような
心理的ストレスのある状態のことです。
日本語では「二重拘束」と言われます。
どちらを選んでも良い結果になるような状況を作り出すことで
相手に自己肯定感や自己効力感を与えることができます。
例えば
「失敗を恐れずに挑戦しないと成長できません」と
同時に言うような状況です。
この場合、部下はどちらを選んでも
上司に認められ、成長できると考えることができます。
「ポジティブ・ダブルバインド」はビジネスで使われるか?
ポジティブ・ダブルバインドの考え方は
ビジネスでも活用されています。
例えば
顧客に「この商品は、あなたにぴったりです」と
「この商品は、あなたのニーズを満たすことができます」と
同時に言うことで
顧客に安心感を与え、商品の購入を促進することができます。
部下に「自分で考えて行動しなさい」と
「自分の意見を主張しなさい」と
同時に言うことで
部下の自主性やリーダーシップを育むことができます。
「ポジティブ・ダブルバインド」は普段の生活で使われるか?
ポジティブ・ダブルバインドは
普段の生活でも使われます。
例えば
「自分の意見をしっかり言え。
でも、周りの人の意見も聞いてね」と
言った場合
子どもはどちらを選んでも、親から認めてもらえます。
また、恋人同士や夫婦同士のコミュニケーションにも
ポジティブ・ダブルバインドは有効です。
例えば
「いつも私のことを大切にしてくれるね。
でも、たまには自分のことも大切にしてね」と
言った場合
パートナーはどちらを選んでも
恋人との関係を良好に保つことができます。
「ポジティブ・ダブルバインド」は精神的に良くないことか?
ポジティブ・ダブルバインドの考え方は
精神的に良いことであると考えられています。
なぜなら
どちらを選んでも良い結果になるような状況を作り出すことで
相手に自己肯定感や自己効力感を与えることができるからです。
しかし
ポジティブ・ダブルバインドの使い方を間違えると
相手に逆効果をもたらす可能性があります。
例えば
「失敗を恐れずに挑戦しないと成長できません」と
同時に言う場合
部下は「失敗したら、怒られるのではないか」と
不安を感じ、チャレンジすることをためらう可能性があります。
「ポジティブ・ダブルバインド」の危険性と注意点
ポジティブ・ダブルバインドの危険性としては
以下のようなものが挙げられます。
〇 相手に選択の自由を奪う可能性がある
〇 相手を洗脳する可能性がある
ポジティブ・ダブルバインドの使い方には
以下の点に注意が必要です。
メッセージの内容を慎重に検討する
メッセージの選択肢を明確にする
「ポジティブ・ダブルバインド」から逃れるためには?
ポジティブ・ダブルバインドから逃れるためには
以下の点に注意が必要です。
〇 メッセージの意味を再考する
〇 メッセージの裏にある意図を理解する
最後にまとめ
ポジティブ・ダブルバインドは
ビジネスや普段の生活でも使われます。
その性質を理解することで
相手の行動を促進したり
特定の方向に導いたりすることができます。
しかし、その一方で、ポジティブ・ダブルバインドには
相手の自主性を奪ったり
思考や行動を制限したりする
危険性があることにも注意が必要です。
ポジティブ・ダブルバインドから逃れるためには
メッセージの前提を疑ったり
メッセージの受け取り方を工夫したりすることが大切です。