「下剋上」と「クーデター」似てるような意味だけど、ちょっと違う!

下剋上、クーデター、アイキャッチ

下剋上とは
本来身分や地位が低い者が、武力や謀略などによって
身分や地位の高い者を倒し、その地位を奪うことを指します。
クーデターとは
政府や政権の最高指導者を武力や謀略などによって排除し
その地位を奪うことを指します。

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「下剋上」と「クーデター」の具体例

下剋上とクーデターは
どちらも権力者の地位を奪う行為を意味する言葉ですが
その意味にはいくつかの違いがあります。
「下剋上」とは
日本の歴史用語で、下級の者が上級の者を打ち倒すことを指します。
下剋上は、平安時代から戦国時代にかけての武士社会において
しばしば起こった現象です。

下剋上は
下位にある者が上位にある者を打ち倒すことを意味します。
組織内での昇進や地位の獲得をめざして
上司や先輩を引きずり落としたり、追い落としたりすることです。

例えば

〇 会社で部下が上司の失敗をあげつらい、それを理由に上司の解任を企てる

〇 学校で後輩が先輩のいじめ問題を告発し、先輩を学校から退学させる

〇 政界で野党が与党のスキャンダルを追及し、政権交代を目指す

など

クーデターは
武力を背景に政府を転覆し、政権を掌握することです。

〇 軍部が武力で政府を打倒し、軍事政権を樹立する

〇 政府高官が軍の協力を得て、議会を解散して独裁政権を確立する

〇 反政府組織がテロで政府を混乱させ、新政権を樹立する

など

下剋上の実例

〇 源頼朝が平氏政権を滅ぼしたこと。

〇 足利尊氏が鎌倉幕府を倒して室町幕府を開いたこと。

〇 織田信長が斯波氏や朝倉氏などの守護大名を滅ぼして
天下統一に乗り出したこと。

これらの例で
いずれも身分や地位が低かった者が、武力や謀略などによって
身分や地位の高い者を倒し、その地位を奪っています。

「クーデター」とは
フランス語の「coup d’état」の音訳で
政府や国家の首脳部に対する暴力的な政変を指します。
クーデターは、主に軍隊や政党などの組織が
合法的な手段ではなく武力や暴力で政権を奪取することです。

クーデターの実例

〇 ナポレオン・ボナパルトが
フランス革命後の政府を打倒して皇帝に即位したこと。

〇 ベニート・ムッソリーニが
イタリアのファシスト党を率いてローマに進軍し
王政を崩壊させたこと。

〇 ミャンマー軍が2021年に
民主的に選ばれたアウンサンスーチー政権を拘束して
非常事態宣言を発令したこと。

これらの例では
いずれも政府や政権の最高指導者を武力や謀略などによって排除し
その地位を奪っています。

日本での、歴史的にクーデターと呼べるような事件や政変

〇 乙巳の変
645年に中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我氏を滅ぼし、大化の改新を断行したこと。
〇 平治の乱
1159年に平清盛と源義朝が対立し
後白河法皇の擁立をめぐって京都で戦ったこと。
〇 本能寺の変
1582年に明智光秀が織田信長を襲撃し、天下統一の夢を断たれたこと。
〇 王政復古の大号令
1867年に薩摩藩・長州藩らが幕政を廃止し
明治天皇の名で新政府の設立を宣言したこと。
〇 五・一五事件
1932年に海軍青年将校らが政府要人を暗殺し、軍部独裁を目指したこと。
〇 二・二六事件
1936年に陸軍青年将校らが政府要人や財界人を暗殺し
昭和維新を目指したこと。

これらの事件は
いずれも権力者や支配者に対する反乱や蜂起であり
クーデターの定義に当てはまります。
しかし、日本ではクーデターという言葉はあまり使われず
政変や内乱と呼ばれることが多いです。
これは、日本の歴史において
クーデターが成功して政権を奪取した例が少ないためかもしれません。
また、日本ではクーデターという言葉が
西洋の政治用語として感じられることも影響しているかもしれません。

最後にまとめ

下剋上とクーデターは
どちらも権力者の地位を奪う行為という点で共通していますが
対象、手段、目的などにおいては、いくつかの違いがあります。

下剋上は、身分や地位が低い者が
身分や地位の高い者を倒してその地位を奪うことを意味します。

クーデターは
政府や政権の最高指導者を排除してその地位を奪うことを意味します。

下剋上とクーデターは、歴史上においても
しばしば起こってきた政治的な事件です。
その意味や違いを理解しておくことは
政治や歴史を理解する上で重要であると言えるでしょう。

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