※画像はcanvaマジック生成によるもの
隻手音声(せきしゅおんじょう)
と言われてもピンときません。
意味など考えたこともないと言う人は
この際ちょっとだけ考えて見てください。
隻手音声(せきしゅおんじょう)の意味
白隠慧鶴(はくいん えかく)
臨済宗の江戸中期の禅僧の有名な※公案の中の話です。
※公案と言うのは
修行僧の日常的な思慮分別。思考を超えた世界に導く謎かけだそうです。
その話と言うのは
「両手で拍手や手を打つと音がする」
では
「片手だとどんな音がする」?
普通に考えたら片手で空を切っても音はするだろうか?
眼を閉じて無の状態だと何かしらの音?
空気の流れのようなものを少しは感じるかもしれない
普通に仕事や家事をしていて見えないところで誰かが
片手で同じことをやっていても何も聞こえないし
普通は気づかない。
白隠(はくいん)は、この答えを引き出すのは無駄!
そうでなく
「ただひたすらに没頭すれば光が見える」
つまり
五官で感じるのでなく、全身全霊で聴き取るのだ!
と言ったそうです。
まず
眼でなく耳でなく、全身全霊で感じて見ましょう!
というのが、隻手音声(せきしゅおんじょう)です。
これは難しいですね。
「隻手音声]」を自分なりに解釈して納得するのがベストです
先ず五官は
目・耳・鼻・舌・皮膚です。
好きな人が作ってくれた料理とか、久しぶりにおふくろの味とか
食べた時は正に五官(目・耳・鼻・舌・皮膚)
を通し五臓六腑に響きます。
いたってシンプルな味付けで普通の味
なのにそれ以上に感慨深いものがあります。
それが時に
涙に変わったり喜びになる
物質的なもではない感情である
「愛情」という誰にもわからないものなのかもしれません。
同じ歌を違う歌手が歌っている場合を考える
流石プロでどちらも上手いんだけど
Aさんの方がBさんより心に響くことがあるとかです。
(故)美空ひばりさんが良い例だと思います
1/f(いちぶんのFゆらぎ)は有名です。
自然界のピンクノイズとも言われています。
ヒーリング・ミュージックとの関連もあり
特別な技法ではあるが「天才」であるからこそ
持って生まれたものもあるのかも知れません。
(それ以上に努力とプロ意識は凄いと思います)
その人が歌うと、何故か涙が出たり
心地よく感動してしまう事があります。
CDで、いつも自分の好きな歌手の歌を聴いているのと
ライブで、生で聴くのとでは全く違う場合もそうです。
料理、歌、ライブとかまだまだあると思いますが
眼に見えないものを説明するのは困難です。
全身全霊で受け止める!聴き取る!
メリットだらけだと思います。
もう少し分かりやすく現代風に説明すると
例えば
ついSNSやメッセージをチェックしながら
「ながら聴き」をしていませんか?
これは「五官で聴く」典型的な例です。
つまり、耳だけで表面的に音を拾っているような状態です。
一方、「全身全霊で聴き取る」というのは
例えばライブコンサートで
〇 周りの雑念を全て忘れ
〇 目を閉じて
〇 音楽に完全に没入し
〇 体が自然と揺れ出し
〇 鳥肌が立つような感動を覚える
そんな体験に近いものです。
現代的に言い換えると
2. ゲームで言う「ゾーン」に入り、周りが見えなくなるほどの没入状態
3. アーティストがクリエイティブな活動で完全に我を忘れる「フロー状態」
4. 大好きな推しのライブで、すべてを忘れて心が震えるような瞬間
このように、単に五感で表面的に感じるのではなく
心も体も魂も、すべてを注ぎ込んで
対象と一体化するような状態を指しているのです。
まさに、最近の若者が使う
「ガチ」な状態とも言えるかもしれません。
「ガチ勢」が好きなことに打ち込む姿勢は
実は禅の教えに通じるものがあるかもしれませんね。
まとめ
いつもの料理がただ美味しいだけでなく
いつもの歌がただ上手いだけでなく
それらの本質が見えてくるはずです。
心のこもった料理や歌には
それ以上の何かがある事を感じることができます。
目に見える結果やデータだけに頼らず
直感や創造力を活かして問題解決に取り組む姿勢を意味します。
データ分析だけでなく
顧客の潜在的なニーズを感じ取ることが重要です。
現代においても新しい発想や
創造力を引き出すための重要な教えとなっています。
自分自身の肉体的にも精神的にも良い働きをしてくれます。
感じることが多いと言うことは
感性が豊かになると言うことですね