低温調理
低温調理って難しいとか食中毒の危険があるって思われがちですが大丈夫です
ただ、ある程度の知識とそれなりの道具は必要ですね。
そして単なる流行だけでなく低温調理にはメリットの方が多いです。
ジャンルは幅広く昔から行われていた調理方法でもあります。
【低温調理のメリット】を考えます

低温調理の仕組みを理解しておく必要がある

低温調理ですから低温で調理するのですが
先ず肉はタンパク質です
タンパク質は50℃ぐらいから火が入っていくと思ってください

「肉の焼き過ぎは固くなるだけ」というのは誰もが知っているはずです

だけど生はかなり新鮮で安全で無菌の肉でないと食中毒の危険があります
今更ですが誤解されがちののが
【レア】【ミディアム】【ウエルダン】の違いは肉の焼き加減で
「生、半生、しっかりと火を入れる・・・」ではありません

レアでも火は入っています
肉の中心温度が【レアは50℃】【ミディアム60℃】【ウエルダン70℃】
だいたいそう思っていれば間違いないですね

よく「ミディアムレア」とか言いますが温度で計るなら55℃となるわけです

低温調理の基本は真空パックから

低温調理を始めるには食材をパックに入れて真空状態を作らなければならない

最近は家庭用の価格も安い真空パック器があります
真空パック器がある人はそれを利用するだけですが
真空パック器がない人でもジップロックなどの袋があれば簡単にできます

正直言いますとこの真空状態が出来れば低温調理はほ出来ると思ってください

【低温調理】=【真空調理法】と思ってもいいぐらいです

これを数年前から【第四の調理法】などと呼ばれたりしています

低温調理は出来上がったらすぐに食べることが基本ですが
真空調理法では
真空調理(低温調理)のあと90分以内に3℃にすることで細菌の発生を防ぎます
つまり
ファミレスなどがセントラルキッチンで真空調理を行う際には
90分以内に3℃にすることが条件で重要な部分です

真空調理は
真空パックの中で調理が行われると考えましょう
パックの中ですから旨味も風味も外へは出ません
そして火の通りを均一にすることが可能です
(真空状態で熱伝導率が向上するため)

パックの中に肉などの食材と一緒に調味料も入れますが
真空状態になるため浸透圧の効率がよく
少ない調味料で均等に味が食材に沁み込みます

一定の温度で長時間調理するのが低温調理です
【一定の温度で長時間の調理】のメリットはズバリ【食材が柔らかくなる】です

特に肉類は68℃を超えてくると固くなり始めます
それ以下の温度で長時間の調理を続けても肉は固くなりません

というのが低温調理の仕組みですね

唯一の【低温調理のデメリット】といえば長時間の調理時間です

ただそのデメリットよりも美味しさと品質が保てるのと
パックを開封しない限り日持ちもするし冷凍保存も出来る
それを利用しているのがファミレスなどです

セントラルキッチンなどで低温調理をして
先ほども書いた90分以内に3℃にして品質を保持して各店舗に配送ですね

どの店舗でも同じ味で同じ品質で提供時間の短縮で効率が良い

やはり、メリットの方が大きいということです

家庭で低温調理を行うとき

家庭で低温調理を行うには道具が必要です

私は元中華料理の職人ですが
調理は長年積み上げてきた技と長年の勘のようなものが必要です
それ自体は今も昔も変わらないと思います

食材の状態、その日の天気、温度、湿度、食べる人の体調も含めて
すべて同じ日はないと考えた方がいいからですね
その違いを見極めることができて初めて職人だとも言えるわけですが
家庭料理で職人と同じことを極めるのは至難の業です

そこで
調理を科学的に考えてそれを調理道具がやってくれると助かります
職人とほぼ同じことができるということになります

職人は
特に昔は科学的に調理を考えて作らなくても長年の技術でやってきましたね
最近は科学的に考えて作る人が増え始めました
それは
無駄なことをせずとも科学的に証明され続けているからです

全て科学的に調理が出来たら職人は要らない?となりますが
そうなりつつもあるけれど
やはり、場所によっては職人の技も必要です

あくまでも
【家庭で職人が作り上げてきた料理を効率よく科学的に作るだけです】

職人と同じように肉の下処理から味つけから焼き方を真似ても
プロの経験ある職人と同じようにはいきません

それを低温調理器という便利なものがあるからそれでやってもらうだけです

家庭料理ならではの料理

ローストポーク

ローストポーク

ローストビーフは当たり前だけど
ローストポークになると実は家庭では難しいんです
豚肉は生は絶対に駄目ですね
どちらかというとしっかりと火を入れる食材でしたが
肉は火を入れすぎると固くなります
そこで
低温調理だと柔らかくて栄養価も保たれてしかも豚肉の旨味も出ます
炊飯器で作ることもできますが
低温調理機の方が失敗なく確実に美味しいです

蒸し鶏やサラダチキン

蒸し鶏

鶏肉料理でも低温調理は有効です
鶏肉もしっかりと火を通すイメージがありますが
出来ることなら固くならない手前ぐらいが柔らかくて美味しいですね
プライパンや蒸し器だと生煮えが怖いからどうしても火が通りすぎます
低温調理なら
あらかじめ温度と時間を設定できますから失敗が無いです
パックに味を入れていきますから調味料は少なくて済みます
調理中に栄養が出てしまうことはありません
鶏肉の風味や旨味は保たれます

サーモンのコンフィ

サーモン

サーモンは生食用を生で食べることができますが
低温調理すると
風味もサーモンの栄養価も保たれて且つ生とは違う食感が美味しいですね

いわしの梅煮

いわしの梅煮

イワシを鍋で長時間かけて梅干しなど入れて煮込む料理は有名です

イワシの臭みもなく頭も骨も丸ごと食べることができて栄養価も高いです
圧力鍋などで作る方法はレシピサイトでも多くありますが
低温調理することで
調味料は少なくて済み栄養価も丸々保たれます
そして
普通の鍋でグツグツ長時間煮込むより早くできます
真空状態で味も浸み込んでいるから
煮込みながら味をしみこませるのとは違います

低温調理は
工夫次第でどのような食材にも使えます
そして
基本的に調理後すぐに食べるのが良いのですが
パックごと素早く冷やして冷蔵保存も冷凍保存も出来ます

食べたい時にパックから取り出して仕上げるだけです

注意点として
低温調理はあくまでも生で提供するのではありません
肉、特に鶏肉や豚肉の生は食中毒に注意が必要です

下記サイトなどを参照してください

食中毒予防ガイド

最後にまとめ

低温調理はずいぶん昔からある調理方法ですが
この調理方法が今また見直されています
栄養価も旨味も調理の効率も良いからですね
そして
良い低温調理機があるからできることです

この記事を読まれて興味がわいてくれば一度試してみてください