担々麺

 

担々麺の専門店も増えてひと時ブームがありました
現在では担々麺という名前も定番化して
担々麺を日本語に書き直しているお店は無いでしょう
担々麺って日本の中華料理店の賄いメニューとも言えますね
賄、裏メニュー、今の担々麺的な感じです

私が見てきた担々麺から考えてみます

 

担々麺は37年前ごろは四川系のお店の賄飯だった

 

中国料理の歴史は4000年とか言いますが
紀元前よりももっと昔?
あんまりピンとこないのが事実です

紀元前も料理というか生きるために何かを食べていたのは当たり前ですが
古代文明とか考古学からは離れて
人の食が料理として考えられるころが現実的ですね

 

自分

担々麺は
1841年ごろ(180年ほど前)までさかのぼります
四川省で生まれた麺類ですね
担々麺の担々は担担と書くのが中国語では正式のようです
担ぐという意味ですが
実際に天秤棒に七輪や鍋、麺や食器、調味料ぶら下げて
担いで売り歩いていたのがルーツということです

現代では「屋台風」という意味合いの方が強いようです

大陸や台湾あたりでも
担々麺といえば屋台風のシンプルな麺類という定義でもあります
筆者である私も台湾で食べたときは
中華麺に適当に具材をチョイスしてだし汁をササっとかけた
とてもシンプルな塩味の屋台のお店でした

ただやはり基本的には
ラー油、山椒、ザーサイ、炸醤(豚ミンチそぼろ)、ネギなどで味付けした
辛味のある麺料理ですね

中国では担担麺と言っても各お店でたくさんの種類違いがあるようです

今回は日本の担々麺について考えていきたいと思います

日本では私が記憶しているところでは
40年ほど前に日本に中国料理が進出し始めたころです
と言っても中国料理、中華料理はもっと以前からあります
40年ほど前に流行し始めたころということです
それは陳健民が四川料理を広めたころあたりからですね
調理師専門学校でも
日本料理、フランス料理に続いて中国料理の専攻ができ始めたころです
(筆者である私も中国料理専攻でした)
そのころたくさんの大型中国料理店もチェーン店化して多く存在し始めていました
四川系とか北京系とか広東、上海とかに分類されていましたね
今でももちろん分かれてはいますが
多くの個人店などは
それぞれの良いところをとってアレンジした料理が主流であるのが今です
そんな中、四川料理店の担々麺がメニューとしてお客さんに提供される前に
賄料理として食べていました
ラーメンを出すお店でも
醤油、味噌、豚骨とかにわかれているぐらいでした

どちらかというと担々麺は高級中国料理店の麺料理です
それは具材も調味料も原価が高くて
醤油でもなく豚骨でも味噌でもない麺類、麺料理だったからでしょう

それが賄いでなぜ食べられていたかというと
基本的に醤油、芝麻醤(練りごま)、酢、ラー油、ザーサイ、白ネギ
これらで味付けしたスープに麺が入っているものです

原価的にも安くて辛いからごはんのおかずになる賄麺です
ラー油を多く入れても酢でマイルドになるし
芝麻醤の香りも食欲をそそります
ザーサイはクズを集めて刻んで入れる
まさに賄らしい料理です

ただ、
賄は見習いとかの仕事でもありますが
技術と味を先輩に見てもらうためのチャンスでもあります

賄が旨く作れると
次のポジションも近づいてきます

そんな賄麺の担々麺が徐々に美味しく改善を重ねて
裏メニュー的な感じで登場し始めました

ポイント
勿論売り物にするには価格に見合った負荷価値(アディド・バリュー)が必要です
先ほどの基本調味料に加えて炸醤をふんだんに使い
青梗菜などの青菜も入れて
スープそのものも白湯と上湯を混ぜたものを使ったりして提供していました
高級中国料理店でしたから
当時で1500円ぐらいのプライスはつけていたと思います

本格的に市場で担々麺が売れ始めた理由

これには様々な発祥伝説がありますが
やはり
陳健民が作り上げた四川飯店の歴代の弟子たちの力だと思います

四川飯店オフィシャルサイト

自分

担々麺としてブームになったのはまだまだ歴史は浅いですね
四川飯店が麺料理として担々麺を確立させてから
しばらくして
担々麺の専門店とかが出来てきました
それが平成に入ってからではないでしょうか
専門店がこぞって研究を重ねて
各お店独自の担々麺が出来てきて
そのあとに
大手食品メーカーが乗っかってきて大ブームが起こるというある意味理にかなった凡例です

担々麺

一つ勘違いされている方も多いかも知れませんが
担々麺と汁なし担々麺がありますが
中国では汁なし担々麺が最初です
これを油面(ユーメン)とも言いますが
これを日本人が改善して汁がある担々麺にしたのが始まりですつまり
汁がある担々麺は日本人が作り上げたタンメンとも言えます
それが逆輸入的に中国でも日本の担々麺が食べられるようになったとも言えますその日本の担々麺のブームに乗って
汁なし担々麺や冷やし担々麺が出来上がったという順番です
近年は少しブームも落ち着きましたが
担々麺が安定した麺類になったということでしょう今はさらなるアレンジが必要になってきている担々麺です

家庭でも簡単に担々麺を作っちゃいましょう

担々麺 家庭

今はスーパーでも即席の担々麺は多く売られています
カップ麺までありますからね

それらを食べてもそれなりに美味しいのにはびっくりしますが
どうせなら簡単にお店に近い味のものを作るのも良いかも知れません

意外と簡単です

袋麺、棒麺、生麺は予算とお好みですが
今回は
一番簡単だと思われる袋麺にしましょう
用意するものは
練りごま(市販のもので良い)、ラー油、酢、ネギ(みじん切り)
豚ミンチか鶏ミンチ、赤みそ(八丁味噌か、赤だし味噌なら尚よい)
ザーサイでも良いが高菜とか野沢菜が使いやすい

これだけです

ミンチを砂糖と赤味噌でそぼろを作っておくところが少し手間ですが
多めに作って冷凍保存も出来ますし、ほかの料理にも応用できます

あらかじめどんぶりに
袋麺の出汁とさきほどの調味料(高菜なども)を混ぜておいて
麺を通常通り茹でて
どんぶりに入れてそぼろ(ミンチ)を乗せて
葱を振りかけるだけでです

お好みでもやしなどの野菜やチャーシュー、メンマなど入れてもイイですね

ポイントは
練りごまでコクを出し
ラー油で辛くして酢でマイルドにする
これが重要なところです

合わせて読んでほしい記事

自分好みの辛さに調整できますね

時間がある方は
生麺などで同じ要領で作るといいかも知れません

最後にまとめ

担々麺はお店で食べると結構高い麺類です

たまには有名店と言われるお店の味もイイですが
毎回毎回外食もきついのが本音ですw

外食でしっかりと味を覚えたら
その味をイメージして家庭で作ることをお勧めします

何度か作れば
必ず自分好みの美味しい担々麺が安くできますよ