せせり

消費者の強い味方の鶏肉ですが
近年はその売価もあんまり安いとは言えません
ムネ肉も肉類では安い部類で低カロリー高タンパクで人気はありますね
ムネ肉よりは少し高いですが「せせり」がお勧めです
首周りの肉なので希少部位なのですが意外と安くて美味しいですね

せせりは決して低カロリーとは言えませんが
鶏肉ですから豚肉や牛肉よりカロリーは低いです
そして食べやすく美味しいですからね

美味しいものには理由があるわけですが
そのせせりの美味しい理由を考えてみたいと思います

せせりは昔から人気があるのにあんまり食べられていない

先ずせせりという部位を知ってください

「鶏肉の部位と品種と価格の違い」
の記事を参照してくださいね

首の骨についている肉をせせることからせせりです

「せせる?」
「せせる」小刻みな動作をせわしなく行う
「せせり取る」せせる動作をしながら取るということだが
あんまり普段の会話で「せせる」とは言わないよね

ちなみに明鏡国語辞典では
細かいものでつついて掘る。ほじくる。せせくる。
「挵」という漢字です

骨についている肉を「ほじる」
つまり「せせる」からせせりとなったと言うのが由来です

もう少し首回りを考えてみると
鶏の首はさほど太くないと言っても
首の前面(喉側)と背面(肩に繋がる)部位に分かれます

前面はあんまり肉がないから
そのまま骨ごとスープにしたり
頑張ってせせり取ってもミンチとしてつみれとかに使ったりしますね
この前面の肉のミンチは味が濃くて歯ごたえもありますから
鶏ミンチでこの部位が入っているのと入っていないのとでは全く味が違ってきます

ただ、一般家庭ではあまり手に入らないですね
やはり焼き鳥屋さんとか鶏専門のお店に流れます
各お店で新鮮な鶏の首を仕入れてお店で仕込みしているところは数少ないですが
こだわりあるお店で評価は高いと思います

そして
背面のせせりの部位は近年はスーパーでも売っています
大昔はスーパーでは売っていませんでしたね
鶏肉専門店などへ行けばありましたが
その場合「小肉(しょうにく)」という名前が流通名です
今でも卸業界ではそうです

私事ですが実家がかしわ専門店だったころ
子供ながらに自宅で料理屋さんから注文を電話で受けていました
その時からせせりは「小肉」ですw
かしわは鶏肉の事ですからねw

話はそれましたが
その背面のせせりは身が繋がっていて処理しやすいですね
見た目がそろばんのようだから
そろばんとか長いからキリンだとか呼称をつけているお店もあるようです

首は良く動かす部分ですし肩に食いに近いから身は筋肉質です

鶏モモのように身は分厚くないですから
ささみのモモ肉バーション的な肉ですね

ですから
カロリーは100gあたり74kcalぐらいだとされています
これはモモ肉とあんまり変わらないですね
ですからムネ肉とかささみのような肉で
ダイエットとか筋肉維持をされている方の対象とは違ってきます

ただ、お野菜を多めに入れるとか少量の摂取なら問題ないでしょう
モモ肉でも皮付きの肉でも同じことです
豚肉でも牛肉でも同じ考え方ということになりますが
ただ
せせりは鶏肉の部位の中でも味が濃いんです
これは一番動かしている筋肉だからと言っても良いですね
その分、筋張っている感じもありますから
調理する際は筋切りは必須です

モモ肉より安くてムネ肉などより味が濃い
つまり
料理人などはその旨さを、旨味を知っているから重宝されます

近年はそのおいしさの情報も拡散されていますから
スーパーでもだんだんと販売量も増えてきていますね

せせりの美味し食べ方は実は何でもありです

せせりが美味しい部位であるにも関わらず
近年スーパーでも売っているにも関わらず
一般家庭ではまだまだ食べられていないのが現状です

それは
希少部位で食肉として、そのものの量が少ないのもあります
でもスーパーへ私も行って鶏肉コーナーへ行きますが
せせりが売り切れでなくなっていることは少ないのです
それは
売る側もさほど力を入れていないからですね

鶏モモ肉や鶏ムネ肉を売る方が儲かるからです
売り方も鶏モモ肉やムネ肉は販促もしやすいし
陳列するときも山積みできるから売れるんです

ささみは需要はあってもひそかに鶏肉コーナーの片隅に並んでいるだけです

逆に言えば
そんなに値段の変動もないけれど確実に手に入るということです

レシピブログなどで見かけるのは

串にさして塩焼きにするとか葱と塩で炒めるとかの
塩系での調理例が多いような気もします

確かに旨味のある部位ですから
塩系が一番味がわかり素材を生かす調理かもしれないですが
考えてみれば
他の部位も豚肉でも牛肉でも素材がよければ塩系となります
しかし
素材が良いものは醤油タレでも味噌タレでも美味しいものは美味しいのです

つまり
せせりも塩系でなくても濃いめの味噌タレとかでもめっちゃ美味しいです

結局のところ
どのような味付けでも美味しい
何でもありの食材、部位だということです

せせりの美味しい食べ方の例

では家庭でも簡単にできる調理方法です

せせりは筋肉質で筋がありますから包丁で数か所筋切りをしましょう

筋を取り除く人がいますが
それをすると
ただでさえ薄く量も少ないから身を少しでも残すために
筋きりで十分です
その筋も歯ごたえの一部になり旨味になります

基本的に15センチぐらいの長さですから
切らずにそのまま調理するのがベストです
歯ごたえはありますが高齢の人でも十分噛み着れる固さです

せせりあみやき

単純に塩とコショーだけで焼くのが美味しいかも知れませんが
ガーリックペッパーとか一味とかお好みでまぶして焼くとイイですね

家の中で炭火となると難しいかも知れませんが
焼肉用のホットプレートなど網目があるものでも十分美味しいです

次に
少し濃いめの味がお好みだという方は(私はこれが一番です)
味噌タレにつけて焼く
もしくは味噌タレで炒めるのが美味しいです

せせりみそやき

味噌タレを手作りされている方は
キット家庭の秘伝のようなものがあると思いますいので
それが一番おいしいと思います

お手軽に簡単なのは
市販の焼肉の味噌タレを使うことです
焼肉のタレは万能ですけらね

秘伝の味噌タレを1から作るのは結構大変ですよ

ポイント
タレにつけて焼く場合も軽く塩コショーはしましょう
下味というやつです
注意点は焦げやすいですから
火加減は中火以下でじっくり焼くのが良いと思います
肉が分厚くないですから90秒もあれば火は通ります

お好みのお野菜など添えれば完璧です

最後にまとめ

せせりは中々メジャーにはならない部位ですが
今後も無くなることはありませんw

専門店へ行けばそれなりの値段もしますが
家庭ならリーズナブルで美味しく満足できます

これからは益々家庭料理が重要な時代になりそうですからね