凡人は模擬し,天才は盗む

「真似る」は「学ぶの」語源であるとも言われています。
尊敬する人や結果を出し成功した人を「真似る」ことから始めて自分も「成長」する。
その考え方は正解だと思います。「すべて完コピしろ」と言われるのはホント?
【真似るのは良い部分だけです】【特に精神的要素に成長する要があります】

最初から【真似できないこともある】それが【成長を妨げない】

先ず最初の出発点から克服していく
これは特に、これから習い事を始めようとする子供の親に注意が必要

生活環境の問題です
生まれて育ち人生を歩むのですが、その環境はすべて違います
大金持ちの富裕層
まあまあお金には困らず上流社会の層
最も多い中間層
なんとか生活できる低所得者層
日々の生活がままならない貧困層

生まれてくる国、地域も違います

生まれた時と環境と場所は変えることができないのです

もし子供が小学1年生でテレビを見ていて
「浅田真央」のようなフィギュアスケーターになりたいと思ったとき
子供が興味を持ち、進んでやりたいことをやらせるのがベストです
しかし
今現在の生活の経済状況で親は選択しなければなりません
フィギュアスケートに限らずですが習い事にはお金がかかります

金額などはこの記事の意図ではありませんので書きませんが
経済的に「無理」な時は子供にちゃんと説明して今の状況を話す必要があります
つまり
今回のテーマである「真似る」「成長する」ですが
次に説明する型から真似るのはありなのですが
最初から「真似ができない」環境があるということです

では本題に入ります

小中高そして次のステップに入るころには
先ほどの問題も理解できているはずです
そして色々な環境はあれど次に進むための準備もする頃ですね
例えば
ロック好きでバンドを作ってライブも時々やっていたとしましょう
キット憧れの尊敬するミュージシャンがいます

その人のギターのテクニック、世界観、才能、全て好きだと思います
そして
コピーをして歌い方やギターの弾きかたソロの部分も完コピします
とまあ、ここまでは当たり前のことをやっているだけですね

趣味でバンド活動を続けているなら問題もないし楽しいと思います
がしかし
そろそろ進学するのか?就職するのか?どの道に進むのか?
「バンドとしても知名度が上がってきたしこのまま音楽の世界で頑張ろう!」
悪くないし選択肢としても間違っていません

次に要求されるのは「覚悟」ですね

親の反対とか自分なりに得た不安になる情報(音楽の世界で飯食えない)とか
そういうのを払拭して「覚悟」が決まります

次は「決断」です
バンドでやっていくならバンドの仲間も一緒にやるのか?
バンドは解散して自分だけでやっていくのか?
誰の?どんなアドバイス?を受けるのか?

音楽の世界に限らずコネクションや紹介も大事です
その時に
あくまでも自分がどうなりたいか?の最初の目標が大事です
目標もないのにプロセスは発生しません

バンドの仲間と目標が違えば自分の目標を優先し進むべきです
そこで
一緒にやっていけないなら別の道を進むだけでです
絶対に自分ファーストでなければなりません
誤解しないでほしいのは
進むべき道の段階で自分の目標がぶれては駄目だということです

型から真似て精神的要素を分析して成長

音楽の道を選択したときの例を書きましたが
サラリーマンであっても職人であっても小説家であっても
誰かを「真似する」ことはあると思います

心理学者の植木理恵氏の名言に
「モデリングすべき尊敬できる先生や先輩を探し出す事が大事です」
「誰かの行いを見て真似して取る、盗む。それこそが学びの基本」
また、「ピカソ」の名言に
【凡人は模擬し、天才は盗む】とあります

真似をする時たいてい「型」から入っていくことが多いですね
好きな俳優がいて映画を見た後にしゃべり方とかしぐさを真似たりしますが
それは「形」であり本質ではありません

「型」は原型とかパターンという意味もありますからね
ただ、「形」と「型」の漢字にこだわるのでなく重要なのは【意味】です

真似することは模擬ですから
全てを知ることが大事で形、型、しぐさも考え方も行動も知ることです
重要なのは
人間にはどんな優秀な人でも天才と呼ばれる人でも欠点はあります
長所、短所で言う部分の「短所」ですね

例えば
「ピカソと7人の女達」とかは有名です
芸術家、画家としては天才であるピカソだが
「女癖が悪い?」というような話です

ここで言いたいのは
スキルやテクニック、人間としての長所の部分は大いに真似をしても良いが
女癖が悪いとか酒癖が悪いとかの欠点、短所の部分は真似しないことです

とまあ、当たり前のことなのですが
「酒や女は芸のため・・・」なんて言うのは
理にかなってはいるのですが普通の人の生き方としてはどうかと思います(笑)

真似し続けると危険なこともある【型を破って初めて成長】

尊敬する人の真似をし続けてるのは良いが
どこかの時点で自分らしさに変えていきましょう

スキルや考え方、形も型もほぼ完コピできたとしても
尊敬する人本人にはなることは不可能です

例えば
通販番組のしゃべって売る人がいますよね
社長2世と言われる人は「ほぼ社長のコピー」です
しゃべり方の抑揚とか間のとり方とか声の質まで・・・
おそらく
社長のことを尊敬しているのか?会社のルールなのか?
詳しくは分かりませんが
同じことが出来るようになったから売り子としてデビューできるわけです
では「売り上げも同じかそれ以上になったか?」というと疑問です

つまり
尊敬する人の物マネだけでは限界があるということですね
どこかの時点で元社長を超える必要があります
それが
【型を破って成長】するときだと思います

これはとても難しいことですね
勇気もいるしアイデアも必要です
ただ
どんな世界でも【型を破って成長】するときが必要で
特に成長産業に携わる人は必ず必要です

例外として伝統文化などは敢えて型を崩さないこともありあます

人ではありませんがクラッシック音楽などはそうです

原型をいかに忠実に再現するかという文化です
ただ
本質はそうであっても、表現方法、見せ方は時代と共に変わっていきます
そう考えると
やはり【型を破って成長】することは大事なのです

【守・破・離】と言われていますね

真似をされる人になるとさらに成長する

【守】
上司であれ人生の先輩であれ世界的に有名な人であれ
とにかく尊敬してそういう人になりたいから真似します
そしてある意味その人の「1番のファン」でもあり続けます
自分の中でしっかりとその教えを守り続けるでしょう

【破】
ある時が来たら今まで真似してきたことを土台に新たなアイデアを取り入れる
自分なりに工夫してより良いものにしていく
「破」は土台を「砕く」のでなく新しい命を吹き込むのです

【離】
新しいことを吹き込んで自分の型が出来ることが離です
今まで真似し続けた自分からの離脱という意味ですね

真似をする目的は最終的に自分自身の型を作り上げて
新たな自分を発信するものと考えましょう

時には尊敬する人の生き方のようなものも真似ることは必要ですが
それも形の中の型として悪い部分は真似する必要はありません

真似をして【離】まで出来てはじめて成長できたと言えるのだと思います

最後にまとめ

尊敬する人を見つけるのも難しいことかもしれません

たまたま読んだ本の著者かもしれないし
ライブで見たミュージシャンかも知れない
とても身近な親かも知れない

今の時代は教わりたいことを簡単に教わることも可能です
もちろん自分自身の努力とやる気次第です
しかし
難しいことほど人は中々教えてくれませんね

自分自身で先ずは真似して盗み取ることが必要なのは今も昔も同じです