どんぐり

どんぐりの背比べ
最近でも使う人はいると思います
逆に言われたことがある人もいるはずです
なんとなく「どんぐりの背比べ」と言われると
あんまり嬉しくありませんね
特に
子供に対して言われることが多い気もしますが
子供本人より親の方が腹立ちます
しかし
日本語の慣用句として辞典にも載ってるしね
意味とか使い方など探っていきたいと思います

「どんぐりの背比べ」の意味を理解して使いましょう

この
「どんぐりの背比べ」は
”団栗は形も大きさもほぼ同じで差がない為
背比べをしたところで決められない”
というのが本来の意味です

なのに
どれもこれも大したことない
ぬきんでてすぐれたものがない
という意味でも使われています

昔は現代のようにハラスメントなど気にする人も少なく
かなり見下した言い方で
例えば
少年サッカーチームの監督が「喝」を入れる時
「どいつもこいつもどんぐりの背比べだな!」的な
感じで使っていましたよね
言われた子供たちも
「チクショウ」「クソ~」「悔しい~」
次こそは監督から褒められようと思ったと思います

 

すなわち
「どんぐりの背比べ」と言った時点で
じつわ監督は見下したのでなく
子供たちを発奮させる意味で使っていたと思います
意図的にやる気を起こさせるという意味です

ところが
現代では「どんぐりの背比べは」
人の成績であるとか
人の容姿だとか
人の技術だとか
深い意味も考えずに「どんぐりの背比べ」
と、ついつい使っている気がしますね

類語には
似たり寄ったり
大差ない
どっちもどっち
五分五分
同程度
五十歩百歩
どっこいどっこい
など

程度が同じぐらいで比べ甲斐がない時に使いますね
それと
あざけたり、馬鹿にしている当人と同じ状態であるとき
類語には
目糞鼻糞を笑う
同じ穴の狢
なども
「どんぐりの背比べ」と同じように使います

人にやる気を起こさせるために使う場面は少ない気がします

それよりも最近では
皆仲良くどんぐりの背比べで同じように
争わず楽しく優しい子供になりましょう的な・・・
ちょっと前
運動会で皆が1等賞で無事終了みたいなのがありましたが
とんでもない話ですよねw
ゆとり教育ってのが懐かしい時でしたw

ところで
英語なら
”They are all much of a muchness.”
”There is little difference among them.”
”much of a muchness”
とかが
どんぐりの背比べに近いと思いますが
似たり寄ったりという意味です

ドイツでは
「それは梨をリンゴと比べるのと同じ」
とかの言い回しはあるようですが
梨とリンゴは全く違うものだから比べる必要がない
何で比べるのか?ナンセンス
という発想です

「どんぐりの背比べ」を使うときは要注意

人生は死ぬまで評価されるのかもしれないけれど
人は性格も個性も環境も違うよね

例えば
ピアノのコンクールは世界各国で行われていますが
プロ、音楽の道を生業にするための登竜門でもありますね
そこでは必ず評価されます
当然1位の人もいれば入賞の人もる、入賞すらできない人もいます
あくまでもピアノの演奏に対しての評価であり
同じような腕前の人に
「どんぐりの背比べ」とは言わないと思うけど
仮にそう思っても
「同じような技量で甲乙つけがたい
厳しいけれど今回は○○さんの方が良かった」と説明して
そのプレイヤーを見下すことはありません

先ほども書きましたが
「どんぐりの背比べ」は
人を見下すときに使う言葉では本来ないのです

そもそも
人を見下すような諺は使うべきでないね

ただ
残念ながら日本語にもそう言う諺、言葉があるんですよね

例えば
「下手の考え休むに似たり」
「山高きがゆえに尊からず」
「井の中の蛙(かわず)」など
まだまだありますが
これらはなんとなく先輩からの教えのようにも聞こえます
ズバッと的を射抜かれて悔しいと思う前に
「反省」する人の方がほとんどでしょう

ことわざ、言葉は時代と共に使い続けられるものと
使わなくなっていくものに分けられていきます
完全に死語となり使わない言葉になれば良いのですが
本来の意味と違った使い方をするのが駄目ですね
近年は和製英語のようなカタカナ文字も多いし
今風の言葉もあるし、SNS用語みたいなスラングもあるし
全てを理解するのは大変です

そういう時は
確実に大丈夫で間違っていない言葉を選びましょうね

ポイント
ちょっと知ったかぶりして
難しい表現をして誤解されるより
正しく理解される言葉を使いましょう
ただ
大人になっていつまでも子供が使うような表現をしていたり
少し難しい言葉がわからなかったりすると
それこそ見下されますからね
語彙力をしっかりとつけていきたいですね

最後にまとめ

ふと気になって「どんぐりの背比べ」について書きましたが
これは私の見解ですが
音楽でポップスにしてもヒップホップ、やラップにしても
若い人たちの表現力は凄いなあ~と思います

ダイバーシティーの時代だから
自然と世界観も昔とは違ってくるのは当然ですが
その中で
結構、日本語の古語とかそれこそ万葉集からの引用だとか
あんまり現代では聞きなれない単語が歌詞には使われたりしますね
そういう意味では若い人も勉強しているんだと思いますね
悪い日本語、間違っている解釈の日本語は修正して
日本語を大事にする意味を考える機会になればと思います