東坡肉

中華料理で豚肉の角煮があるけれど【東坡肉】(トンポーロー)というのは
【何で?】東坡肉は【紅焼肉】(ホンソールー)とも書くし
和食でも豚の角煮があるけれど何が違うのか?
そして角煮を作るときは【土鍋が最強】です
ただ土鍋にも種類があるので【最強の土鍋】を選びましょう

中華料理で豚の角煮は紅焼肉?東坡肉?どっち?

紅焼肉、東坡肉って書くことが先ず難しいw
そしてホンソールー、トンポーローと読むのは尚難しいw

でもなんとなく名前は聴いたことがあると思う
豚の角煮と聞けばほとんどの人が知ってる!となります
そして豚の角煮は大好きだ!って人も多いと思います

お店にもよりますが結構大きな塊が「ド~ン」と出てきます

紅焼肉と東坡肉は同じものと思っても良いです

基本
豚バラ肉じっくりと甘辛い味付けでとろけるように柔らかく煮込んだものです

紅焼←じっくりと煮込むと言う意味
肉 ←豚肉ですね

基本的、本格的、元祖を言いますと
豚肉は皮つきのバラ肉を使います
それを一度丸ごと茹でます
次に醤油をつけて高温で揚げます
次に熱湯で油抜きします
醤油、砂糖、紹興酒など独自の味付けに八角※柱皮(ニッキ、シナモン)など入れて
じっくりと2時間以上蒸しあげます
提供する時はその蒸しあがった角煮を切り分けて
鍋で味を調えてとろみをつけ青梗菜などを添えて盛り付ける

だいたいこんな感じが主流です

※柱皮、ニッキ、シナモンは厳密には違いがありますが好みで使ってください

蒸し上げるところが肝です

中国料理ではこの蒸しあげた肉を「扣肉(コウロウ)」と言います
紅焼扣肉っと表記しているお店もあります

皮つきの豚バラ肉が手に入りにくいので普通のバラ肉を使用しているお店が多いです
皮の部分は煮込むともちもち感がとても美味しいんですがね

それでは東坡肉ですね

東坡と言うのは
1036年~1101年に詩人であり書家でもある「蘇軾(そしょく)」が考案した料理です

「蘇軾(そしょく)」の号(源氏名のようなもの)は「東坡居士」「蘇東坡」などと呼ばれていました
「東坡さん」的な感じで庶民からも愛されていたそうです

蘇軾が政治批判で逮捕された後、晴耕雨読(天気が良い日は農作業、雨の日は読書)の生活をしていて
その時考案したのが紅焼肉です。

蘇軾が水利工事を行い庶民から紹興酒を献上されてその時、紹興酒を使って作った料理です
その料理を食べた人々が絶賛したそうで、その後、東坡肉と名付けられ料理店でも出されるようになった

簡単に言うとこのような歴史があります

つまり
紅焼肉と東坡肉は同じです
そして紹興酒を使うところがある意味重要かなw

もう少し言うと豚肉でなく羊の肉だったそうです
紅焼羊肉(ホンソーヤンルー)ですね

今でも羊肉で提供しているお店は中国にはあります
日本ではほとんど豚肉でしょう

和食の豚の角煮と中華の角煮は何が違うのか?

行程が大きく違います

和食の場合
最初にバラ肉を焼きます。この時油は使わない
次に肉を茹でるのですがその時に「おから」(1ℓのお湯に対して100g)を
入れて強火で2時間ほど茹でます
おからは沸点が高い状態で維持できます

次に水で綺麗に洗い流し、おからの臭み抜きのために再度茹でます
この時の茹で時間は数分でOKです

次に適当な大きさに切ってから
味付けしていきます
基本、酒、みりん、醤油、水ですね

1時間ぐらいかけて煮詰めていきます
途中で生姜を加えて照りが出れば完成

白髪葱などが合いますね

考え方として、徹底的に脂を落とす臭みを消す
おからを使いとことん茹でて柔らかくする

これが和食の角煮です

中華の場合(前項で書きましたが)

肉を茹でます
次に醤油をつけて高温で揚げます
次に熱湯で油抜きします
醤油、砂糖、紹興酒など独自の味付けに八角や※柱皮(ニッキ、シナモン)など入れて
じっくりと2時間以上蒸しあげます
提供する時はその蒸しあがった角煮を切り分けて
鍋で味を調えてとろみをつけ青梗菜などを添えて盛り付ける

茹でて油抜きや臭みを取るのと同時に
高音の油で揚げて表面を固めて旨みをとじこめます
そこから蒸し上げることにより柔らかく旨みもとじこめますす

独特の香辛料、特に八角でとても中華っぽい味になります

柔らかくとろけるような食感で甘辛く仕上げる

和食と中華と共通点もありますが
和食はあっさりと酒の肴かなあ~
中華はこってりとご飯のおかず的な感じですね

ポイント
手間はどちらもかかります
圧力鍋など利用して時短もありですが
下処理の部分はじっくりと時間をかけたいですね

角煮はバラ肉以外でも大丈夫でしょうか?

※豚肉の部位の使い分けは

バラ肉は脂身と赤身の美味しい部位です

正直言いますと角煮は豚バラ肉で作ってほしい

脂身の方が多い場合もありますが角煮は脂身が旨い料理です

脂身が苦手な方は残念ではありますがね

その脂身を食べながら味がしっかりと浸み込んだ赤身の部分を一緒に食べるから
赤身のややパサついた部分も美味しく感じられるのです

バラ肉以外の脂身が多い部位でできないことはないのですが
食べた時にハッキリと違いを感じます
バラ肉の角煮は絶妙の脂身と赤身のバランスですから
全他の食感がふんわりします

他の部位で作ると脂身があり赤身が混じっているにも関わらず
何故かバランスが悪く後味がパサつきます

これは色んな部位で同じ方法で作ってきたからわかるのですが
角煮はバラ肉(3枚肉)がベストです

紅焼肉、東坡肉はお店でもやることですが
一度に多く作ります
保存方法は一食分ずつ分けてフリーザーパックで冷凍
ラップでも構いませんがキッチリと包んで保存

1カ月ぐらいは品質を維持できます。

タレはしっかりと煮詰めているので冷蔵保存で大丈夫です

肉とタレを分けておくのがコツです

タレは他の煮込み料理でも使えます

応用編ですが紅焼肉、東坡肉を一口大にカットして
大根や人参と一緒に煮込んでも美味しいですね

大根、ニンジンはあらかじめ下茹でして
柔らかく茹でるか蒸すかしてタレに浸しておくと煮詰めるとき早いです

お店でもランチのサービス定食などによくやります
ボリュームも出るしご飯にピッタリです。

丼物として提供しているところもありますね。
ラーメンに入れて「紅焼肉麺」とか「東坡肉麺」とかもありです

そのあたりは応用ですからどうとでもなります

一番重要なのは紅焼肉、東坡肉を適切に作っておくことです
素がしっかりしていれば後は何をしても美味しいものです

最後にまとめ

紅焼肉、東坡肉について
簡単に歴史も含め作り方こだわりみたいなものも書きました

中華料理であっても日本ではお馴染みの料理

本格的に作るとなると結構大変かもしれませんが
良い道具を使えば簡単で時短で美味しいものができる時代です

美味しいものが出来あがった時の感動
食べた時の感動は忘れられないものになります

自分なりのこだわりのある紅焼肉、東坡肉に挑戦して見てください